タトゥー施術でHIV感染した男性、服薬治療し妻子と共に生きる

2017/12/09 04:33 JST配信

 ハノイ市ドンダー区在住のT.V.Kさん(男性、1978年生まれ)は現在、同市第9病院でHIVの治療を受けている。Kさんは治療中、携帯電話を取り出しては2歳になる最愛の息子の写真を眺める。

(C) Quynh Trang
(C) Quynh Trang

 「11年前に人生で最初で最後のタトゥーを入れようと決意したんです。まさかその決意が私の人生を狂わせてしまうとは思いもしませんでした」とKさんは当時を語る。タトゥーの施術に使われていた針は使いまわしの物で消毒殺菌も十分にされていなかった。健康診断結果を受け取ったKさんは、自身がHIV陽性であることを知り驚愕した。

 病に侵され自分には幸せな未来など到底来ないものと思っていたKさんだったが、1人の女性Mさんと知り合った。女性はKさんの病を知った上で共に歩むことを決意し、2人であちらこちらの医療機関へ行きHIVに対する理解を深め、それぞれが意識を持っていればHIVは日常生活で簡単に感染するものではないことを確認した。

 Mさんは家族の反対を押し切りKさんと結婚、その後もMさんはHIVに感染することなく結婚5年目には夫婦の間に健康な男の子が誕生した。現在夫婦はハノイ市内で洗髪店を営み、Kさんは服薬治療により状態を維持している。

 ホーチミン市マラリア・寄生虫・昆虫研究所の副所長でドンジエウ皮膚科診療所の責任者であるルオン・チュオン・ソン医師は、タトゥー施術に使う針やインクが使いまわしの物で十分に消毒殺菌がされていない場合、B型・C型肝炎やHIVなどの感染症に感染する可能性は十分にあると指摘する。そのため、施術を受ける際は安全性が確保された場所を慎重に選択する必要がある。

 ハノイ市第9病院でKさんの主治医であるグエン・ゴック・フン医師によると、性交渉はHIVの感染経路の中でも最も感染率が低いが、1日または1時間に接触する人数が多ければ多いほど感染の可能性も高くなるという。女性の場合は膣内に出血を伴うような深い傷があれば感染率が高くなる。

 また、フン医師によるとHIVに感染した場合でも服薬治療により症状を抑えることができ、Kさんのように避妊具を使わないで妻と性交渉を持っても妻が感染する可能性は極めて少ない。HIV感染患者の夫婦で子供を望む場合は、服薬治療と検査を重ね、HIVの数値が最低値になった時点で子作りも可能だという。

[Ha Quyen, Zing.vn, 12:02 30/11/2017, T]
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
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