ヌクマム基準草案、反発多く適用先送り―伝統製法の業者に不利

2019/03/13 05:53 JST配信

 農業農村開発省農産市場開発加工局が策定した、ヌクマム(Nuoc mam=魚醤)に関するベトナム基準(TCVN 12607:2019)の草案が、伝統製法でヌクマムを製造する業者から猛反発を受けている。

(C) plo
(C) plo

 猛反発を受けて、同草案の審査を担当する科学技術省は12日の記者会見で、同基準の適用を先送りすることを明らかにした。農業農村開発省は今後、科学技術省と協力して業界関係者の意見を仰ぎながら草案を見直していく。

 例として、草案には動物用医薬品や農薬の残留検査に関する基準が盛り込まれているが、これは不要かつ業者にとってコスト増にもつながると見られている。

 「ハインフック(Hanh Phuc)」ブランドを展開するハインフック食品加工のグエン・クオック・フン副社長は、「伝統製法で製造するヌクマムは海に生息する魚(カタクチイワシ)を長期間かけて発酵させたもの。養殖に動物用医薬品や農薬などを必要とする淡水魚ではないため、動物用医薬品や農薬の残留検査を求めるのは不適切」とコメントした。

 また、伝統製法で製造するヌクマムと、大量生産のヌクマムを区別する必要もあると指摘されている。しかしこれは、伝統製法による業者を不利にし、大量生産のメーカーが有利になるとして強く非難する意見もあがっている。

 南中部沿岸地方ビントゥアン省ファンティエット市を本拠地とし、伝統製法によってヌクマムを製造している某業者の責任者は、「ヒスタミン含有量に関する基準にも問題がある。伝統製法で製造するヌクマムはいずれもタンパク質含有量が多く、ヒスタミン含有量も大量生産のヌクマムと比べて多い。ヒスタミンの多量摂取によりアレルギーを起こす可能性はあるが、1人当たりの毎日のヌクマム摂取量は非常に少ないため、アレルギーを起こすことは考えにくい」と述べた。

[Vnexpress 01:40 11/3/2019, 10:19 12/3/2019, A]
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
© Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved 免責事項

この記事の関連ニュース

 地場系大手食品メーカーでヌクマムの大量生産を手掛けるマサングループ[MSN](Masan Gr
 伝統製法でヌクマム(Nuoc mam=魚醤)を製造する業者から猛反発を受けて適用が先送りされたヌクマムに関...
 スイス食品大手ネスレ(Nestle)の子会社ネスレ・ベトナム(Nestle Vietnam)は10日、「マギー(Maggi)」ブ...
 ベトナム水産加工輸出協会(VASEP)傘下の伝統的ヌクマム(ベトナム魚醤)クラブは15日、国内で初めてとな...

新着ニュース一覧

 商工省によると、2025年におけるベトナムの輸出入総額は推定で約9200億USD(約144兆円)となり、過去最高...
 ベトナム建設省は19日、ラオカイ~ハノイ~ハイフォン間鉄道建設事業の第1サブプロジェクトの着工式を...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 ホーチミン市都市鉄道(メトロ)1号線(ベンタイン~スオイティエン間)を運行する同市メトロ1号線有限会社...
 ある日の午後、60代と思われる男性が、壊れたデュポン(Dupont)製のライターを手に、ホーチミン市チョロ...
 軍事ウェブサイトのグローバル・ファイアパワー(Global Firepower=GFP)が発表した2025年版の世界軍事...
 ファム・ミン・チン首相は20日、ペトロベトナムグループ(Petrovietnam=PVN)のレ・マイン・フン会長を...
 再生可能エネルギー事業を手掛けるイーレックス株式会社(東京都中央区)は、同社が開発を進めている西北...
 一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)は15日、ベトナムの新たなドローン産業団体であるベトナム低...
 電子機器・電気機械器具の製造・販売を手掛けるコーセル株式会社(富山県富山市)は、海外子会社(非連結...
 ベトナムで初となる軽量軌道交通(LRT)路線が19日、南部メコンデルタ地方アンザン省フーコック特区(島)...
 米国の調査機関World Population Review(WPR)が先般発表した
 ホーチミン市では現在、計1万8613台のタクシーが運行されており、このうち電気自動車(EV)が1万3124台で...
 レ・タイン・ロン副首相はこのほど、「2025~2035年の外国語教育強化計画および2045年までのビジョン」...
 ベトナム国家大学ホーチミン市校(ホーチミン市国家大学=VNU-HCM)の副学長を務めていたグエン・ティ・...
トップページに戻る