ベトナムでアフリカ豚コレラ(ASF)の感染拡大が止まらない。18日までに北中部地方以北の18省・市でASF感染が確認されており、殺処分された豚は2万6807頭に上っている。
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こうした事情を背景に農業農村開発省は、各省・市人民委員会、密輸・不正取引・偽造品防止国家指導委員会に対し緊急公電を送り、愛玩用ミニブタの違法な運搬や取引の取り締まりを強化するよう指示した。
公電は、最近愛玩用ミニブタの人気が高まり取引数が増加しているが、これらのミニブタは周辺国から密輸入された可能性が高いとし、ASFが拡大する恐れがあると指摘している。国内ではハノイ市とホーチミン市で、1頭当たり270万~500万VND(約1万3200~2万4500円)で取引されているという。
フン・ドゥック・ティエン農業農村開発次官は、「近年ASFはロシアや中国、モンゴルなどで国境を越えて急速に拡大している。ベトナムと国境を接する周辺国でもASFが発生しているが、まだ公表されていない」との認識を示した。
国際獣疫事務局(OIE)によると、ASFは豚やイノシシがASFウイルスに感染する伝染病で致死率は100%近いが、人や他の動物には感染しない。2017年以降これまでに20か国・地域での感染が報告されている。