日本では「昭和レトロ」の自転車ブランドとして知られるゼブラケンコーの自転車「ジップシグマ」が、製造から55年を経てホーチミン市で初めて組み立てられた。
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所有者はホーチミン市ビンチャイン郡ビンフン村のレ・ドゥック・トアンさん。十数年前に日本のオークションで1964年2月製造のジップシグマを落札し、その後もずっとフレームや部品を梱包されたまま保管していた。この度、経済的に困難な境遇にある南中部沿岸地方カインホア省と同フーイエン省の子供たちに自転車700台を購入するために、ジップシグマをオークションに出品することにしたとのこと。
オークションにかけるにあたり箱から取り出された自転車は、製造から半世紀以上が経っているもののフレームや部品に錆などもなく、タイヤチューブにも劣化はなかったという。ホーチミン市内の自転車愛好家らによると、レトロ自転車は一般的に使用されていた物が取引されるのが一般的で、トアンさんのジップシグマのように未走行のレトロ自転車は極めて希少だという。
トアンさんは2017年と2018年に出品した同じ型の自転車が2台とも2億VND(約91万7000円)超で落札され、オークションで得たお金を慈善活動に充ててきた。今回も同等額程度で落札されると予測されている。
ジップシグマは、5段ギアにディスクブレーキ、ライト、電子ホーン、方向指示器など当時の最先端の機器が搭載されている。製造開始と同時に、それまで自転車市場のシェアを占めていたフランスやイタリアのメーカーに大きく差をつけ、世界に旋風を巻き起こしたゼブラケンコーの自転車シリーズだ。