ダナン:急増するインド人観光客の対応に苦戦、宗教と食文化がネック

2023/02/21 17:55 JST配信

 ベトナムとインドを結ぶ直行便の増加を背景に、南中部沿岸地方ダナン市を訪れるインド人観光客数が急増し、同市の外国人観光客上位5か国に仲間入りしている。

(C) tuoitre
(C) tuoitre

 2023年2月現在、◇ニューデリー、◇ムンバイ、◇アフマダーバードのインド3都市とダナン市を結ぶ直行便があり、2022年10月からベトジェットエア[VJC](Vietjet Air)が週に計12便を運航している。

 直近3か月にダナン市を訪れたインド人観光客の数は2万人以上に上り、◇韓国、◇タイ、◇米国、◇マレーシアに次ぐ5位に立っている。2022年年初以降に同市を訪れたインド人観光客は累計3万9359人で、2019年に比べて2.5倍近くに増加しており、同市への外国人観光客の多様化に貢献している。

 ダナン市を視察したインドの旅行会社ナイン・バケーションズ(Nain Vacations)のヴィピン・ナイン(Vipin Nain)社長は、「空気がおいしく、海も美しく、プロフェッショナルな観光サービスが確保されている。豪華なビーチホテルが数多くあり、富裕層の間では結婚式や重要なイベントなどに人気の場所にもなっている」とコメントした。

 旅行会社各社によると、インド人観光客はおおらかで財布の紐も緩いが、食事や宗教の実践に関しては非常に几帳面だという。

 しかし、ダナン市、ひいてはベトナムには、インドの多様な文化的・宗教的基準に則した料理を提供できるレストランやホテルが不足しているのが現状だ。特にハラール認証を取得しているイスラム教徒向けレストランの数は極端に少ない。

 ダナン市ソンチャー区でインドカレー専門店「インディアン・カレー・ダナン」を営むジャナルダン(Janardhan)さんは、「インド人のゲストは食習慣によって、◇ヒンドゥー教徒、◇ベジタリアン、◇イスラム教徒の3つのグループに大別できる。このうち、豚肉を食べないイスラム教徒のゲストには必ずハラール認証を提示しなければならない。また、牛肉を食べないヒンドゥー教徒やベジタリアンにもそれぞれ専用のスペースを確保する必要がある」と述べた。

 先のナイン社長は、「インド人観光客は平均5~7日間と比較的長期で滞在する習慣があるため、インド人の食文化に配慮し、食事で満足させることができなければ観光客を誘致できないだろう」とアドバイスした。

 なお、ダナン市当局は、空港に礼拝スペースを設置し、宿泊施設などに対してもインド料理を提供するよう促すなどして、インド市場の観光促進に努めている。

[Tuoi Tre 09:33 19/02/2023, A]
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
© Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved 免責事項

この記事の関連ニュース

 科学技術省品質測定基準総局傘下の適合認証センター(Vietnam Certification Centre=QUACERT)は24日、...
 南中部沿岸地方ダナン市は、インド人富裕層の間で人気のウェディングデスティネーションとなっており、...
 ベトナム航空[HVN](Vietnam Airlines)は3月26日から、ベトナムとインドを
 タンソンニャット空港サービス[SAS](SASCO)はこのほど、ホーチミン市タン
 航空機で機内食を提供する南部空港サービス[SAS](SASCO)が運営する機内サービスセン
 サイゴン商業総公社(サトラ=Satra)はこのほど、ホーチミン市1区でコンビニエンス・フードストア「サト...
 最近ベトナムでは、インドネシアやマレーシア、インド、中東などのイスラム圏各国からの観光客が急速に...

新着ニュース一覧

 ベトナム国家観光局のデータ(速報)によると、4月30日の南部解放記念日と5月1日のメーデーに伴う4月30日...
 住友商事株式会社(東京都千代田区)は、同社100%子会社のバンフォン・パワー(Van Phong Power)の出資持...
 西日本鉄道株式会社(福岡県福岡市)は、地場不動産大手のナムロン投資[NLG]
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
(※本記事はVIETJOベトナムニュースのオリジナル記事です。) ロンドン:歌謡曲でムードたっぷり、街角...
 米国のS&Pグローバル(S&P Global)が先般発表した2025年4月のベトナム・PMI(製造業購買担当者指数)は45....
 商工省と複数の省・市における太陽光発電事業を巡る違反事件で、ハノイ市人民裁判所は、ホアン・クオッ...
 国家主席府は4月29日、受刑者8055人と刑執行猶予中の1人の計8056人に対する国家主席の特赦の決定を発表...
 第15期(2021年~2026年任期)国会第9回会議が5月5日に開幕した。  今国会では、国家構造に関する201...
 ホーチミン市文化スポーツ局は、4月30日の南部解放記念日にサイゴン川沿いエリアで実施を計画していた...
 南部解放・南北統一50周年(1975年4月30日~2025年4月30日)事業の一環で行われた軍事パレードを見物する...
 衣料の製造・販売を行う韓国のレシピグループ(Recipe Group)はこのほど、同社が展開するファッションブ...
 ルオン・クオン国家主席は4月28日、北中部地方ハティン省でラオスのトーンルン・シースリット国家主席 ...
 インボイスに関する政令第123号/2020/ND-CPの一部を改正・補足する政令第70号/2025/ND-CP(6月1日施行)...
 カナダの金融・保険サービス比較会社 「ハローセーフ(HelloSafe)」はこのほど、世界各国における株式市...
 ハノイ市人民評議会は4月29日、バイオテクノロジー分野に特化した「ハノイバイオハイテクパーク」の建...
トップページに戻る