農業環境省が公表した「2025年版気候変動シナリオ」によると、2100年までに南シナ海全域の平均海面水位は、低排出シナリオで約+46.1cm、高排出シナリオで約+63.7cm上昇し、高排出シナリオにおける予測幅の上限は+84.2cmに達する可能性がある。
![]() (C) Thomas Schoch / Wikimedia Commons / CC BY-SA 2.5 (cropped) |
ベトナム沿岸全域では、高排出シナリオの場合、今世紀末までの平均上昇幅は約+61.9cmで、予測幅の上限は+82.0cmとなる。冠水リスクを示す地図では、地域間の差が顕著となっており、南部メコンデルタ地方の冠水リスクが最も高いことが示されている。同地方の面積の18.4%に冠水リスクがある。
最高気温が35度Cを超える日数は、世界平均気温の上昇幅が1.5度Cの場合に年間+10~30日、3~4度Cの場合に同+30~50日増加し、中部・南部の多くの地域では増加幅が年間+50日を超えると予測されている。
一方、厳しい寒さに見舞われる日数は大幅に減少する見通しだ。北部では、世界平均気温の上昇幅が3度Cの場合に年間▲20~30日、4度Cの場合に同▲30~40日減少すると予測されている。
極端な大雨の発生も増える見通しだ。具体的には、1日当たりの最大降水量と連続5日間の最大降水量がともに増加し、大雨の日数も増えると予測されている。特に、高排出シナリオでは、一部地域で日降水量100mmを超える日数が約+80~100%増加する可能性がある。都市部や農業生産が集中する地域では、こうした極端な大雨の増加を踏まえ、排水能力やインフラの整備状況を見直し、大雨に対する対応力を強化する必要がある。
なお、今回の冠水リスクを示す地図は、地盤沈下や海岸線の変化、潮汐、高潮、防潮施設などを考慮しない「静的な冠水」の計算結果に基づいているため、専門家は個別のインフラ設計に単独で利用することを避け、危険地域の事前特定に活用するよう推奨している。専門家はまた、塩分に強いイネ品種の導入など、地域生態系に応じた適応が必要だと指摘している。







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