チュングエン社のブー社長、夢を追い続けて

2010/10/17 08:54 JST配信

 今年9月、コーヒー大手チュングエングループがベトナム乳業株式会社(ビナミルク)からコーヒー加工工場を買収したというニュースが報道された。チュングエンの名がマスコミを賑わせたのは久々のこと。多くの人は「チュングエンの時代はもう終わった。今は金融や株式で儲ける時代だ」と思っている。しかし同社のダン・レ・グエン・ブー社長は今も、自分の夢を追い続けている。

(C) Thanh nien
(C) Thanh nien

 今回の工場買収は、国内コーヒー市場でシェアトップの座を築き、チュングエンをナンバー1ブランドとして構築しようとする重要な計画の一環だ。そのためブー社長自らビナミルクのマイ・キエウ・リエン会長兼社長に会って買収話をまとめた。ブー社長は、市場シェアトップの先の目標として、ベトナム人1人当たりのコーヒー消費量増加を狙っている。現在は年間0.7キログラムで、世界平均の4~5キログラム、北米の12キログラムに遠く及ばない。

 チュングエンは既に世界の約50カ国に進出し、ベトナムのコーヒーブランドとして知られているが、ブー社長は「ベトナムでナンバー1にならなければ消費者や国の支援は得られない。世界に進出するのはその先の話だ」として国内での事業を重視してきた。しかしいよいよコーヒーの本場米国で勝負を挑むことにしたようだ。米国のコンサルタント会社を雇って戦略を練り、彼の地での会社設立に向けて動き出した。チュングエン社の世界戦略は米国とシンガポールのオフィスが描くことになる。

 ブー社長の最終的な夢は「中部高原地方ダクラク省をコーヒーの世界首都にする」こと。ダクラク省をグリーン経済特区にし、バンメトート市を「コーヒー聖地」とする。そうすれば世界中からコーヒーの信徒20億人が詰めかけるだろうという。多くの人が空想だと言うだろう。だがブー社長は7年でこの計画を実現すると本気だ。

 チュングエン社はまた、ドイツでブルク・コーヒー焙煎博物館を買収した。この博物館の史料約1万点がダクラク省に運ばれ、「その日」に備えるという。ジェンス・ブルク所長は40年にわたって同博物館を運営してきたが、ブー社長に会いその夢を聞いて譲渡を決めたという。

[Thanh nien online, 26/09/2010 0:16, O]
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
© Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved 免責事項

この記事の関連ニュース

 国内大手コーヒーメーカーのチュングエングループ(Trung Nguyen Group)の会長を務めるダン・レ・グエン...
 国内大手コーヒーメーカーのチュングエングループ(Trung Nguyen Group)の経営支配権を巡る争いで、チュ...
 国内大手コーヒーメーカーのチュングエングループ(Trung Nguyen Group)の経営支配権を巡る争いの裁判の...
 国内大手コーヒーメーカーのチュングエン投資株式会社(Trung Nguyen Investment=TNH)の経営支配権を巡...
 「キングコーヒー(King Coffee)」ブランドのコーヒー生産・輸出を手掛けるTNIコーポレーション(TNI Cor...
 地場大手コーヒーメーカーのチュングエングループ(Trung Nguyen Group)はこのほど、南中部高原地方ダク...
 国内大手コーヒーメーカー、チュングエングループ(Trung Nguyen Group)傘下のチュングエン・インスタン...
 コーヒー大手チュングエンコーヒーは30日、南中部高原地方ダクラク省バンメトート市リートゥチョン通り...

新着ニュース一覧

 英国の大学評価機関クアクアレリ・シモンズ(Quacquarelli Symonds=QS)が発表した最新の大学ランキング...
 世界最大級の宿泊予約サイト「ブッキング・ドットコム(Booking.com)」はこのほど、6月のプライド月間(L...
 米マイクロソフト(Microsoft)が発表した調査報告書「ワークトレンド指数(Work Trend Index)」2025年版...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
(※本記事はVIETJOベトナムニュースのオリジナル記事です。) 【ロンドン編】はこちら 【パリ編】は
 在ベトナム米国大使館は18日、巡視船「CSB8022」をベトナム海上警察に引き渡したと発表した。越米間の...
 宅配を手掛ける地場ゴゾ・エクスプレス(Gozo Express)は18日、地場系コングロマリット(複合企業)
 最先端の機械学習テクノロジーを活用してモバイル資産を識別・評価・最適化する米国のラウンズ(Rounds)...
 サイゴンハノイ保険[BHI](Sai Gon-Ha Noi Insurance Corporation)は、韓
 ホーチミン市7区のサイゴンエキシビション&コンベンションセンター(SECC:799 Nguyen Van Linh, quan ...
 ベトナムは、ライチの生産量で中国に次ぐ世界2位となっている。  2025年の収穫量は約30万3000tで、...
 地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)傘下の電
 ハノイ市ノイバイ国際空港で、ベトナム人乗客による日本円の違法持ち出しが発覚した。税関当局が18日に...
 国内IT最大手のFPT情報通信[FPT](FPT Corporation)はこのほど、東南部地
 国会は18日、エネルギー使用効率化法の一部を改正・補足する法律を可決した。同法は2026年1月1日に施行...
 持田製薬株式会社(東京都新宿区)とMeiji Seikaファルマ株式会社(東京都中央区)は、持田製薬が日本で販...
トップページに戻る