ニワトリにクラシック音楽を聞かせて鶏卵の品質向上を図っている青年がいる。グエン・ズイ・ティエン・アンさんは大学を卒業したばかりの23歳。フランスへの留学のチャンスを捨てて、このビジネスに賭けている。
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東南部ドンナイ省チャンボム郡にあるアンさんの鶏舎は面積約1000平方メートル、空気循環システムを導入しているため、鶏舎内の温度は常に25~26度に保たれている。鶏糞処理システムもあり、嫌な臭いもほとんどしない。
特別なのは、8つのスピーカーから流れる音楽だ。5000羽のニワトリに、朝5時から夕方5時まで1日12時間、交響曲を聞かせている。アンさんは「ポップスやロックなど様々な音楽を試してみましたが、交響曲が一番気に入ったようです。ポップスやロックだとうろたえたように落ち着きませんが、ベートーベンやモーツァルトの交響曲を聞かせると平静な状態に戻ります」と話す。
驚くのは、交響曲を聞かせるようになってからニワトリが産んだ卵に「オメガ3」と呼ばれる不飽和脂肪酸が増えたことだ。以前より含有量が5~6%増えたという。オメガ3脂肪酸は、糖尿病や心臓病などの生活習慣病に効果があるといわれているが、体内で生成することができないため、食品から接種する必要があるとされる。