ベトナム最初のドン紙幣印刷工場、その歴史と変遷

2016/01/10 05:07 JST配信

 一方でこの紙幣は、ベトナムの独立と自由、国の主権を表すものであり、歴史における1つの大きな転換点を表すものでもあった。ベトナム民主共和国臨時政府の脆弱な経済からの回復と共に、ベトナムドン紙幣はそれまで流通していたフランス領インドシナの通貨に取って代わるようになったのだ。

(C) vnexpress
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 紙幣の印刷にあたり、機密性を確保するため、労働者は日中ではなく午後4時から翌日の午前3時まで働いた。印刷済みの紙幣は密閉箱に入れられて牛車や馬車でラックトゥイ郡コーギア村の一家が所有する金庫まで輸送され、ここで保管された。

 故ホー・チ・ミン主席は、国の要衝だったチーネー農場を2回にわたり訪問した。2回目の訪問中、故ホー・チ・ミン主席は「チーネー農場は爆撃を受けるだろう」と予言したといい、これは1947年に現実のものとなってしまった。チーネー農場は荒廃し、紙幣印刷工場も金庫もハノイ市以北の地方に移された。その後、歴史の数々の浮き沈みの中で、この紙幣印刷工場は変化し、劣化し、多くの遺物が失われていった。

 この工場は2007年8月27日、文化スポーツ観光省により国家級遺跡として認定された。また2010年、国は財政省設立65周年を記念して、紙幣印刷工場歴史遺跡区の整備を開始。総面積は15.5ha、総投資額は約2700億VND(約14億2000万円)に上る。同遺跡区は現在、ホアビン省の観光地の1つとなっている。

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