障害乗り越え、松葉杖でベトナム最高峰登頂を果たした若き社長

2019/05/19 05:42 JST配信

 「肩にとても負担がかかり、また足も動かさないといけなかったため、体のあちこちが痛みました。その時、もう体はついてきていませんでしたが、意志と決意の力で先に進むことができました」とダンさん。

(C) vnexpress
(C) vnexpress
(C) vnexpress
(C) vnexpress
(C) vnexpress
(C) vnexpress

 翌日、ダンさんは更に数時間登り続け、ようやく頂上に到達した。ベトナム、そしてインドシナ半島の最高峰として「インドシナの屋根」とも呼ばれるファンシーパン山の山頂に立って一面に広がる雲を眺めると、今までの疲れは吹き飛んだ。

 ダンさんとともにファンシーパン山に登ったメンバーの1人であるトゥー・フオンさんは、登山の夜は大雨で道はぬかるみ、懐中電灯の電池も残りわずかだったことを教えてくれた。「メンバーの何人かは先に休憩所に行き休んでいました。遅れた4人が後に残り、その中にダンさんがいました。彼はいつでも周りを励まし、面白い話をして、皆の空腹、寒さ、そして野生動物への恐怖を忘れさせてくれました」。

 2018年、ダンさんは紅河デルタ地方ニンビン省と東北部地方クアンニン省ハロン市で開かれた一般のマラソン大会に、松葉杖で挑戦した。その年の終わりには、ハノイ市に自分の英語学校を設立した。米国の語学講師が直接トレーニングする方式で、通常は数年かかる英語学習の時間を数か月に短縮することを約束し、定期的に5~7クラスを開講している。

 自身の脚の代わりに松葉杖を使う必要があるが、この31年間、ダンさんは普通の人と同じように暮らしてきた。その暮らしぶりは、フェイスブック(Facebook)で友人がこのようなメッセージを送ってくるほどだ。「実のところ、いつもあなたの近況を『楽しそうにしているな』と何となく眺めているだけでした。でも、今日あなたがテレビに出ているのを見て、初めてあなたが松葉杖を使っていることに気づきました」。

 松葉杖を使って歩かなければならなくても、誰も彼が「松葉杖を使っている」とは意識しないでいてくれること、それがダンさんの願いだ。

前へ   1   2   3   次へ
[VnExpress 06:25 11/04/2019, A]
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
© Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved 免責事項

この記事の関連ニュース

 西北部地方ラオカイ省とライチャウ省の境に位置するベトナム最高峰のファンシーパン山(Fansipan)の標高...
 西北部地方ラオカイ省サパ郡で、2018年末オープン予定の5つ星ホテル「エムギャラリー・サパ(MGallery S...
 ベトナム版ギネスブックとして知られるベトナム・ブック・オブ・レコード(Vietkings)は、「観光客を魅...
 観光不動産開発のサングループ傘下ファンシーパン・サパ・ケーブル観光サービス社は2日、西北部地方ラ...
 東南部ビンズオン省在住のフイン・バン・ザンさんは現在83歳の高齢者だ。最近、国内最高峰ファンシーパ...

新着ニュース一覧

 米マイクロソフト(Microsoft)が発表した調査報告書「ワークトレンド指数(Work Trend Index)」2025年版...
 在ベトナム米国大使館は18日、巡視船「CSB8022」をベトナム海上警察に引き渡したと発表した。越米間の...
 宅配を手掛ける地場ゴゾ・エクスプレス(Gozo Express)は18日、地場系コングロマリット(複合企業)
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
(※本記事はVIETJOベトナムニュースのオリジナル記事です。) 【ロンドン編】はこちら 【パリ編】は
 最先端の機械学習テクノロジーを活用してモバイル資産を識別・評価・最適化する米国のラウンズ(Rounds)...
 サイゴンハノイ保険[BHI](Sai Gon-Ha Noi Insurance Corporation)は、韓
 ベトナムは、ライチの生産量で中国に次ぐ世界2位となっている。  2025年の収穫量は約30万3000tで、...
 地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)傘下の電
 ハノイ市ノイバイ国際空港で、ベトナム人乗客による日本円の違法持ち出しが発覚した。税関当局が18日に...
 国内IT最大手のFPT情報通信[FPT](FPT Corporation)はこのほど、東南部地
 国会は18日、エネルギー使用効率化法の一部を改正・補足する法律を可決した。同法は2026年1月1日に施行...
 持田製薬株式会社(東京都新宿区)とMeiji Seikaファルマ株式会社(東京都中央区)は、持田製薬が日本で販...
 ベトナム発のITソリューション企業であるカオピーズ(Kaopiz、ハノイ市)と、東南アジア市場における医療...
 米グーグル(Google)と財政省傘下のベトナム国家イノベーションセンター(NIC)は18日、ベトナム国内での...
 英国タイムズ紙(The Times)が発行する高等教育情報誌「タイムズ・ハイアー・エデュケーション(The Time...
トップページに戻る