観光振興策として新型コロナウイルスワクチン接種を受けた外国人観光客から受け入れを再開すべきとの提案について、グエン・スアン・フック首相は文化スポーツ観光省に対し、関連機関と協力し提案を検討するよう指示した。
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人々の移動の安全性を確保する証明書となる「ワクチンパスポート」を利用した措置は、観光振興策につながると期待されるが、規定の整備や技術的な作業など、措置を実現するための仕組みが構築されていないのが現状だ。
一方、文化スポーツ観光省傘下の観光総局は、国別・対象者別に受け入れ再開を段階的に進める方向でベトナム観光協会(VISTA)と相談している。
観光総局のグエン・ティ・タイン・フオン副局長は、5日に東北部地方クアンニン省で開かれた観光促進に関するシンポジウムで、「観光客の多い主要市場をターゲットとしてパッケージツアーを催行し、空路で行きやすい目的地や独立したリゾートエリアなどを選択する」との方針を明らかにした。
観光業は2019年、国内総生産(GDP)の9.2%に寄与し、290万件の雇用を創出した。しかし、新型コロナ禍の2020年は、外国人訪問者数が前年比▲79.5%減の370万人、国内観光者数が同▲34.1%減の5600万人に急減した。2020年の観光収入は同▲58.7%減の312兆VND(約1兆4700億円)に留まった。
なお、観光業の従事者の40~60%は離職または休職を余儀なくされたほか、海外ツアーに特化した旅行会社の95%は事業停止に追い込まれた。