旧正月(テト)を祖国で迎えるため帰国する人々でにぎわうハノイのノイバイ国際空港で今月3日、7年間の海外逃亡生活を送っていた横領事件の容疑者が姿を現し、警察に逮捕された。
北部タイビン省出身のグエン・ティ・チエン(58歳・女)容疑者は1995年から1999年にかけて銀行幹部という立場を悪用し、複数の知人の名義で虚偽の貸付契約を偽装、国の財産6億ドン(約400万円)を横領したとされる。チエン容疑者は事件発覚前から海外逃亡を準備し、2001年2月3日にウクライナに向け出国、その後の足取りは途絶えていた。
7年間の空白を経て母国に帰ったチエン容疑者は、家族との再会を喜ぶ周囲の人々とは対象的にたった一人で落ち着きがなく、明らかに挙動不審だったという。警察に声をかけられた当初は別人の振りをした同容疑者だったが、逮捕状を見せられて抵抗を止め大人しく従った。