グエン・タン・ズン首相は20日、政府官房にてバチカン市国の福音宣教省長官フェルナンド・フィローニ枢機卿と会談した。フィローニ枢機卿がベトナムを訪問するのは今回が初めて。
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会談でズン首相は、フィローニ枢機卿のベトナム訪問を歓迎し、「ベトナムでは多数の宗教が信仰されており、キリスト教も含め、全ての宗教を平等に扱っている」とベトナムにおける信仰の自由について説明した上で、政府レベルの会合を頻繁に行うことを通じてバチカンとの友好関係の改善を促進し、更に強化していく意向を表明した。
これに対し、フィローニ枢機卿はまずベトナムの平和と繁栄に祝辞を述べ、両国間の協力関係を更に深めていきたい考えを示した。また、2月14日にハノイ大司教区のグエン・バン・ニョン大司教が枢機卿に昇格することについてフィローニ枢機卿は、「ベトナムの貢献を高く評価しているため」とした。
なお、統計総局(GSO)の2009年の統計データによると、ベトナムでは無宗教の人口が81.7%と圧倒的に多く、続いて◇仏教:7.9%、◇カトリック:6.6%、◇ホアハオ教:1.7%、◇カオダイ教:1.0%、◇プロテスタント:0.9%、◇その他:0.2%の順となっている。ただし信仰の有無に関わらず祖先や神を供養する慣習があり、宗教紛争は殆ど発生しないというのがベトナムの信仰生活の特徴だ。