新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を背景に運航された帰国者向け特別便の認可を巡る汚職事件で、公安省傘下の治安捜査機関は4日、前在大阪ベトナム総領事のグエン・ホン・ハー容疑者(男・58歳)ら3人を新たに逮捕した。
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ハー容疑者は収賄容疑をかけられている。このほか、駐マレーシア・ベトナム大使館元職員のグエン・レ・ゴック・アイン容疑者(女・34歳)が公務執行上の職権乱用の疑いで、また自営業のホアン・アイン・キエム容疑者(男・44歳)が贈賄の疑いでそれぞれ逮捕された。
同事件では、最初の容疑者が1月下旬に逮捕されてからこれまでに、トー・アイン・ズン外務次官(男・58歳)や、外務省傘下領事局の要職のほか、保健省傘下医療設備工事局や公安省傘下出入国管理局の幹部、交通運輸省傘下国際関係部の幹部、旅行会社など複数の会社の役員をはじめ、事件に関与した20人以上の容疑者が逮捕され、捜査を受けている。
なお、ズン外務次官は、2022年1月に駐日ベトナム大使 兼 駐マーシャル諸島ベトナム大使に内定していたが、正式には就任していなかった。
特別帰国便は、新型コロナ禍の影響で帰国するベトナム人のために国が特別に手配するものだが、関係者らは複数の公的機関の幹部らと結託し、不正利益を得ていた。この特別便に搭乗するには、通常より高額な運賃を支払うほか、煩雑な手続きが必要だった。