法廷闘争に?ハノイの名店「フォーティン」商標は誰のもの?

2023/03/01 06:25 JST配信

 フォーの名店として知られるハノイ市の「フォーティン(Pho Thin)」を経営するグエン・チョン・ティン(Nguyen Trong Thin)さんは、この商標が法律によって保護されている状態ではなく、フランチャイズ事業も実施していないことを明らかにした。

(C) zingnews、チョン・ティンさん
(C) zingnews、チョン・ティンさん

 「フォーティン」を巡ってはこのところ、世間の関心を集める様々な論争が起きている。

 ハノイ市ハイバーチュン区ロードゥック(Lo Duc)通り13番地の「Pho Thin 13 Lo Duc」の生みの親であるチョン・ティンさんによると、自身はフランチャイズ経営もしていなければ、何の会社も経営していない。

 チョン・ティンさんは1979年にロードゥック通り13番地に店を開き、人気を集めた。その後、支店がハノイ市、北部紅河デルタ地方ハイズオン省ホーチミン市などに開かれ、日本やインドネシア、米国など海外にも出店された。

 「北部では、『Pho Thin 13 Lo Duc』の名で10店舗ほど、他の人の営業を手伝っています。日本に5店舗、インドネシアに1店舗、メルボルン(オーストラリア)とカリフォルニア(米国)にそれぞれ1店舗あります」とチョン・ティンさんは言う。

 しかしながら、チョン・ティンさん自身による「Pho Thin」の商標登録が認められていないといった法的な問題から、フランチャイズ経営はまだしていないという。2009年に「Pho Thin」の商標登録を出願したのだが、認められなかった。2020年に「Pho Thin 13 Lo Duc」として、自身の肖像画のイラストなどを含めて商標登録を出願したが、現在もまだ「審査中」だ。

 「私は商標を所有していないが、『Pho Thin 13 Lo Duc』は私だけのものだ」と言うチョン・ティンさんだが、実際には「Pho Thin」という商標は、ハノイ市ホアンキエム区ディンティエンホアン(Dinh Tien Hoang)通りのフォー店によって2005年に商標登録され、2017年に更新されている。

 このディンティエンホアン通りのフォー店は、「Pho Thin Bo Ho」(『Bo Ho(ボーホー)』はホアンキエム湖畔の意)として知られ、1954年にブイ・チー・ティン(Bui Chi Thin)さん(2001年に死去)によって開かれた店で、現在も同じ通りで営業し、伝統的なフォーの販売しかしておらず、フランチャイズ経営などもしていない。

 ところで「『Pho Thin』ブランドのCEO」を名乗ってメディアに登場したドアン・ハイ・チュン(Doan Hai Trung)さんについてチョン・ティンさんは、「跡継ぎ」でも、「『Pho Thin』ブランドのCEO」でもないと否定する。

 チュンさんにはハイズオン省で店を出す際に商標の使用を認め、2人の写真もその頃に撮影されたものだが、「チュンとは何の書面も契約も交わしていない。商標を売ったわけでも、管理を任せたわけでもない。チュンが会社を作って『Pho Thin』の商標登録をしたことは、私が同意したものではない」とチョン・ティンさんは言う。

 なお、科学技術省知的財産局のウェブサイトでは、チュンさんは「Pho Thin」と「Pho VieThin 13 Lo Duc」の2つの商標登録を出願していることが確認できるが、登録は完了していない。

 チョン・ティンさんによると、チュンさんによるシドニー(オーストラリア)、ホーチミン市直轄トゥードゥック市における経営は、どれも自身を通したものではなく、「チュンは、私の商標やイメージを使って会社を作り、フランチャイズ経営している。違法行為であり、弁護士に頼んで、裁判に訴える準備をしている」と話している。

[Zing 16:10 24/02/2023, F]
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
© Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved 免責事項

この記事の関連ニュース

 ハノイ市ハイバーチュン区ロードゥック(Lo Duc)通り13番地にあるフォーボー(牛肉のフォー)の名店「フォ...
 ハノイ市ハイバーチュン区ロードゥック(Lo Duc)通り13番地にある創業45年のフォーボー(牛肉のフォー)の...
 ハノイ市ハイバーチュン区ロードゥック(Lo Duc)通り13番地にあるフォーボー(牛肉のフォー)の名店「フォ...
 ハノイ市ハイバーチュン区ロードゥック(Lo Duc)通り13番地にある創業45年のフォーボー(牛肉のフォー)の...

新着ニュース一覧

 政府は、台風13号(アジア名:カルマエギ、日本では台風25号)で被災地となった南中部地方のクアンガイ省...
 ベトナム国家民間防衛指導委員会は7日朝、6日夜に南中部に上陸した台風13号(アジア名:カルマエギ、日...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 ホーチミン市建設局傘下の11区建設投資プロジェクト管理委員会は4日、同市フート街区(旧11区)のフート...
 混み合う大学の中庭で、身長110cmのグエン・ティ・フオンさん(女性・23歳)は、まるで小学生が足早に歩...
 韓国の食品製造会社であるサムファF&C(Samhwa F&C)はこのほど、自社で展開するフローズンヨーグルトの...
 ベトナムIT最大手のFPT情報通信[FPT](FPT Corporation)は、ドイツのフラ
 ベトナム航空[HVN](Vietnam Airlines)は6日、独自ブランドの香り「ニャー
 計画投資省海外投資局(FIA)が発表した海外直接投資(FDI)に関するデータによると、2025年1~10月期のFDI...
 ハノイ市人民委員会主席のチャン・シー・タイン氏が5日、党中央執行委員会によって中央監査委員長に選...
 ハノイ市の国家展示センター(VEC)で開催された「秋季フェア」で、トゥアンギア製造組立(Tuan Nghia)が...
 ホーチミン市建設局によると、同市コンダオ特区(コンダオ諸島)で初の電気バス路線が12月初旬に運行を開...
 格安航空会社(LCC)最大手ベトジェットエア[VJC](Vietjet Air)は、11月11
 自然エネルギー発電所の発電事業(IPP)などを手掛ける自然電力株式会社(福岡県福岡市)がグループ会社を...
 財政省傘下統計局(NSO)が発表した統計データによると、2025年10月の輸出額(推定値)は前年同月比+17.5%...
トップページに戻る