- シアン化物で18歳甥の殺害を図る
- 一家のうち5人が短期間に不審死
- 警察が余罪含めて捜査範囲を拡大
東南部地方ドンナイ省警察は5日、甥にシアン化物を盛って殺害しようとしたグエン・ティ・ホン・ビック容疑者(女・38歳、同省ニョンチャック郡ビンタイン村=xa Vinh Thanh, huyen Nhon Trach在住)を殺人未遂容疑で逮捕した。
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被害に遭ったのは、N・H・B・Tさん(男性・18歳)。Tさんと容疑者を含む家族らは、同村にある民家で同居していた。Tさんはこれに先立つ6月22日、意識がない昏睡状態でホーチミン市直轄トゥードゥック市のレバンティン病院に救急搬送された。検査の結果、Tさんの体内からシアン化物が検出されたため、家族が警察に届け出た。
この一家では、2023年10月から2024年5月までのわずか8か月の間に5人(同容疑者の父、夫、子供、甥2人)が相次いで不審な死を遂げている。5人は死亡前に、不整脈、嘔吐、頭痛、めまいなど共通の症状があったとされる。
緊急搬送されたTさんの容態は現在安定しているが、引き続き病院で治療を受けている。ビック容疑者は、取り調べに対し、Tさんを殺害しようとしたことを認めている。同容疑者は、家の修繕について義理の姉と揉めており、腹いせのために甥のTさん殺害を計画。ニキビを治す薬だと言って、シアン化物入りのカプセルをTさんに服薬させたという。
なお、直近の報道によると、ビック容疑者は今回殺害を図ったTさん以外にも、過去に夫と甥2人にシアン化物を盛って殺害したと自白した。昨年10月にはギャンブルで借金があった夫を毒殺。さらに今年1月、妹との間で金銭面でのトラブルなど発生していたことで、妹の子供(7歳)を毒殺。今年5月には、T君の弟(12歳)も毒殺していた。同容疑者は夫と子供の死亡後に約8億VND(約500万円)の保険金を受け取っており、借金返済や個人的な出費に使用していた。同事件をめぐり、警察は捜査範囲を拡大している。