落し物は誰のもの?:タクシー業界の非常識

2005/11/24 07:19 JST配信

 ベトナムタクシー業界では、奇妙な常識がまかり通っている。乗客が車内に置き忘れた落し物は、ドライバーの所有物とされてしまい、乗客が返還を請求しても、9割がたは戻ってこないのだ。

 大金を車内に置き忘れ、公安に届けを出すも見つからない、下車1分後に携帯電話を置き忘れたことに気づき、自分の番号に電話したところすでにつながらない、置き忘れた携帯電話を取り戻そうとしたら、ドライバーに200万ドン(約 125米ドル)払えば戻してやると言われた(示談の結果100万ドンに)、などの事件は日常茶飯事。乗客がタクシー会社に返還を求めても、現金、最新モデルの携帯電話が戻ってくるケースは極めて稀である。

 一方、返還されるケースが多いのは、金銭的に価値がない書類や、売っても数十米ドルにしかならない旧モデルの携帯電話。ドライバーは会社から表彰された上、客から寸志が貰えるからだ。通常、客側はドライバーの着服を立証できないため、公安に訴えても無駄である。

 自家用車や社用車に乗り慣れている人は、座席に荷物を広げるクセがあり置き忘れをすることが多い、と各タクシー会社は注意を呼びかけている。また、ドライバーの落し物着服に対する各社の対応はさまざま。マイリン(MaiLinh)タクシーのように、客の請求にも関わらず拾得物を返還しないドライバーは、公安に通報の上クビという会社もあれば、タナコ(Tanaco)タクシーのように、社長自ら、「弊社ではドライバーに、お客様のものを着服してはいけない、と教育していますが、ドライバーも人の子、魔が差すこともございます。タクシーは公共交通機関でありますので、お客様ご自身でお忘れ物のないよう気をつけて頂くより他はありません」と発言する会社もある。

[2005年11月23日: Nguoi Lao Dong紙]
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
© Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved 免責事項

この記事の関連ニュース

 スマートフォン向けバイクタクシー配車サービス「グラブバイク(GrabBike)の運転手としてアルバイトをし...
 グエン・クオック・アイ・ニーさん(女性) は7日15時ごろ、ホーチミン市1区のチャンニャットズアット通りで
 FPT情報通信株式会社の子会社FPT小売社とコンソルティオ(Consortio)サービスベトナム社

新着ニュース一覧

 ファム・ミン・チン首相は20日、ペトロベトナムグループ(Petrovietnam=PVN)のレ・マイン・フン会長を...
 再生可能エネルギー事業を手掛けるイーレックス株式会社(東京都中央区)は、同社が開発を進めている西北...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)は15日、ベトナムの新たなドローン産業団体であるベトナム低...
 ある日の午後、60代と思われる男性が、壊れたデュポン(Dupont)製のライターを手に、ホーチミン市チョロ...
 電子機器・電気機械器具の製造・販売を手掛けるコーセル株式会社(富山県富山市)は、海外子会社(非連結...
 ベトナムで初となる軽量軌道交通(LRT)路線が19日、南部メコンデルタ地方アンザン省フーコック特区(島)...
 米国の調査機関World Population Review(WPR)が先般発表した
 ホーチミン市では現在、計1万8613台のタクシーが運行されており、このうち電気自動車(EV)が1万3124台で...
 レ・タイン・ロン副首相はこのほど、「2025~2035年の外国語教育強化計画および2045年までのビジョン」...
 ベトナム国家大学ホーチミン市校(ホーチミン市国家大学=VNU-HCM)の副学長を務めていたグエン・ティ・...
 ベトナム郵便通信グループ(VNPT)は18日、2026年計画実施会議の枠組みの中で、人工知能(AI)専門会社「VN...
 東南部地方ドンナイ省のロンタイン国際空港は19日、初の民間旅客便を受け入れた。同空港が受け入れた初...
 地場系コングロマリットのビングループ[VIC](Vingroup)は12月19日、ハノ
 南北高速道路は19日、北端のフウギ国境ゲート~チーラン間高速道路(約60km)および南端のカントー~カマ...
トップページに戻る