カナダのアルバータ州エドモントン市に住むベトナム人の若者たちが立ち上げた慈善団体「フォーリンハートグループ」は、ベトナムの貧しい子どもたちを支援している。団体メンバーの一人でカナダ生まれのミナ・ティ・チュオンさんがこのグループの活動について語った。
私たちは今年の5月、集めた寄付金を子どもたちへ渡すため、グループを代表してベトナムを訪れた。サイゴン、中部のホイアン市とフエ市、ハノイの孤児院を訪ねて回った。始めに訪れたサイゴンの寂れた寺では52人もの子どもたちが一つの部屋で暮らしていた。しかし誰もそのことに不満そうな顔をしておらず、むしろ幸せそうに見えた。
次に訪れたフエでは100人近い孤児を養育しているドクソン寺を訪れた。最後に訪れたハノイの寺では、生後20カ月に満たない赤ん坊を13人養っていた。この寺では子どもたちの生活スペースにするため新しい建物を建築中だった。私たちはこの建物のかわらを支援することにし、ハノイ慈善協会にその購入費用を渡してかわらの購入を依頼して帰国した。
「フォーリンハートグループ」はエドモントンで週末にチャリティーバザーを開催している。この市に住む多くのベトナム人が料理やアクセサリーなどを持ち寄って販売し、その売り上げをグループに寄付してくれる。カナダに住む両親の友人たちも、グループに寄付金を送ってくれる。彼らは自分たちの暮らしが厳しいにもかかわらず、故郷の貧しい人たちを助けたいと願っている。
私はベトナムで2003年から2005年にかけて2年間働いたことがあるが、その間に孤児たちを助けるような活動を何もできなかったことを残念に思っている。だからこそ今、グループのメンバーとしてできる限りのことをしたいと思う。姉のサンもベトナムを訪れた時同じように感じたと言う。今のような生活ができるのは本当に幸運なことで、幸運に恵まれなかった子どもたちのために何かしたいと思う。それが私たちにとってルーツに帰るということだと思うから。