学生グループ、ごみ拾いの貧困者を支援

2009/01/11 08:40 JST配信

 ハノイ環境短期大学の学生レー・バン・ソンは「ごみ拾いのソン」として知られている。笑顔の優しい彼は、ごみ埋め立て場で再生ごみ集めを仕事にしている貧困者を支援する「ごみと健康プロジェクト」を進めている。

 ハノイ市ソクソン郡のナムソンごみ埋め立て場で会った時、彼はごみの山の中で手慣れた手つきで再生できそうなごみを拾っていた。「ここで働いている人たちに自分自身の健康に関心を持ってもらうには、共同で作業するのが一番。一緒に働く僕のやり方を見たり聞いたりすれば、彼らを説得しやすいんです」。ソンは笑いながらそう言った。彼には自分の考えている支援プロジェクトの実現性を高めるにはどうすればよいか、実践を重ねながら考える必要があった。

 「友だちとソクソン郡に遊びにいった時、子どもたちが腐臭のする真っ黒な水たまりで、ビニール袋やプラスチック用品などを洗っているのを見ました。彼らはゴム手袋もマスクもしていませんでした」。この時、彼らのために何かをしなければという思いが彼の中に芽生えたという。しかしこの思いをプロジェクトとして実行に移すまでには、彼と仲間たちのたゆまぬ努力が必要だった。毎日授業が終わるとごみ埋め立て場に行き、そこで働く人たちの話を聞いて彼らが必要としていることや望みを理解しようと努めた。

 ソンのグループはこのプロジェクト案を、有意義な社会活動プロジェクトに助成金を支給するコンテストに応募した。プロジェクト案をコンテスト主催者に説明に行く日、ソンはある悲しい話を思い出していた。それはごみを拾っている最中に血の付いた注射針を踏んでしまった青年のことだった。それ以後青年は日に日にやせ細り、家族が病院に連れていったときHIVに感染していたことが分かった。もし防護用具を使っていれば防げたケースだった。彼の他にも、ぜん息や皮膚病にかかっていながら経済的理由で治療できずにいる人たちが大勢いる。

 ソンのプロジェクトは見事、他の4つのプロジェクトとともに助成金の支給対象に選ばれた。支給金額は2000米ドル(約18万円)。まずはナムソンごみ埋め立て場で働く人たちに手袋やマスクなどを無償で配布し、それらを身に付けることで健康を守るよう意識を高めることを目標にしている。

 「このプロジェクトが終わった後は、ここで働く人たち自身が他の労働者たちにそれを伝えていってくれると思う」とソンは言う。話し終わると彼はまたごみ拾い作業へと戻っていった。プロジェクトは始まったばかりだ。しかし将来、この活動モデルが全国のごみ埋め立て場に広まり、多くの貧しい労働者たちがより安全に働くことのできる日がくるかもしれない。

© Viet-jo.com 2002-2026 All Rights Reserved 利用規約 免責事項

新着ニュース一覧

 ベトナムで国内初の炭素取引所が6月末に試行稼働したものの、初日の取引以降、1か月余りにわたり新たな...
 電子機器受託生産(EMS)で世界最大手の台湾フォックスコン・テクノロジー・グループ(Foxconn Technology...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 政府は8月1日、産業クラスターの管理・開発に関する政令第32号/2024/ND-CPの一部を改正・補足する政令...
 烈士(戦死者)の遺骨の捜索・収集は、ほとんどの場合、ほんのわずかな手がかりから始まる。その手がかり...
 内務省は、2026年のベトナム文化の日および2027年のテト(旧正月)と建国記念日に伴う休暇について、日程...
 教育訓練省は、東北部地方トゥエンクアン省のトゥエンクアン英才高校の試験会場における2026年高校卒業...
 VIETJOベトナムニュースが2026年7月に配信した記事のアクセス数ランキングをご紹介します。 1位:
 財政省傘下統計局(NSO)の発表によりますと、2026年4~6月の国内総生産(GDP)成長率(推定値)は前年同期比...
 南中部地方ダナン市人民委員会は、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進およびデジタル経済の発...
 クラフトチョコレートの製造や販売を手掛けるザ・ココア・プロジェクト(The Cocoa Project)は、ホーチ...
 東北部地方クアンニン省のクアンイエン沿岸経済区で、ベトナム・シンガポール工業団地(VSIP)が総額約5...
 ハノイ市のノイバイ国際空港は、車両の混雑緩和を目的に3日から導入した新たな車両動線計画について、...
 英国・ロンドンの高等法院は、ベトナムのアニメ制作会社であるSコネクト(Sconnect)が制作する人気アニ...
 南中部地方ダナン市で3日、国際ミスコンテスト「ミス・ヘリテージ・グローバル2026(Miss Heritage Glob...
トップページに戻る