グーグルの誘い断り、会社守った5人の若者たち

2010/12/19 08:13 JST配信

 米検索大手グーグル社からの会社買収と引き抜きの誘いを断り、自分たちの会社を守った5人の若者たちがいる。その中心にいるのは1983年生まれのグエン・スアン・タイだ。

(C) VNExpress, Hong Anh
(C) VNExpress, Hong Anh

 タイは北中部ゲアン省の普通の家庭に育った。子供の頃から技術に関心があり、中学2年生のときに部品を買ってラジオを組み立てた。その頃テレビのコマーシャルで見たコンピュータにも興味を持ったが、当時のコンピュータの値段は、田畑500平方メートル分に匹敵するほど高かった。

 初めてコンピュータに触れたのは親友の家だった。親友の父親が大切にコンピュータを管理しているため、友人と共に屋根を伝って部屋に忍び込み、30分ほど使っては電源を切って熱を冷ましてばれないようにした。そんな風にしてコンピュータに慣れていった。

 タイは大学卒業直後の2006年7月、同郷の友人4人と共に「ナイスコープ情報技術サービス社」を設立する。小さな事務所と5台のコンピュータからの出発だった。彼らの武器はベトナム語検索サイト「Socbay.com<http://socbay.com/>」。ところが会社設立からわずか3か月後、驚くべき話が持ち上がった。

 あのグーグルが自分たちの会社を買収し、5人に米国に渡って仕事をして欲しいというのだ。5人は米国に渡り、グーグル側と交渉した。同社からは、家付き車付きのうえ月給8000ドル(約67万3000円)で待遇するとの夢のような条件が示された。5人は迷いに迷った末、結局ベトナムで自分たちの会社を続けることを選んだ。タイは「決め手になったのは5人の友情だ。子供の頃から共に遊びながら成長してきた。ベトナムに戻ればまた一緒に仕事ができるが、米国に残れば5人は別々の仕事をすることになってしまう」と振り返った。

 ナイスコープ副社長のホー・ミン・ドクは、グーグルが評価したのは会社ではなく人材としての自分たちだという。設立から3か月の会社には何の売り上げもなかったからだ。ドクは5人が団結すれば米国でなくても自分たちの目的を達成できるはず、と考えた。

 社員5人から始まったナイスコープは、2年後に125人に成長した。検索サイト「Saocbay」は辞書や音楽、ニュースなどのサービスも利用できるようになった。同社はまた、政府や国内携帯キャリア大手3社にもサービスを提供している。タイと4人の仲間たちは、「ベトナムに戻ったことは正解だった」と思っている。彼らは夢の実現のため、今日も共に働いている。(敬称略)

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