ベトナム人のイスラム教徒が迎えるテト

2020/01/26 05:05 JST配信

 北中部地方ゲアン省出身のカイン・バンさん(女性・38歳)は、4年前にインドネシア人と結婚してイスラム教に改宗した。以来、バンさんも同じくベトナムのテトを祝わなくなった。「テトには故郷に帰り、お寺にも行きますが、あくまでも観光で、中には入りません。お年玉は、習慣としてではなく慈善のつもりで家族や友人にお金を渡します」。と打ち明けた。

(C) vnexpress
(C) vnexpress
(C) vnexpress
(C) vnexpress

 一方、マリア・グエンさん夫妻はいずれもベトナム人のイスラム教徒だ。ムスリムではあるが、9歳と4歳の2人の子供にベトナムのテトの風物詩を伝えるため、毎年テトを楽しみにしている。

 「毎年ココナッツ菓子やバナナ入りのバインテット(banh tet=ちまき)、鶏肉入りのバインチュン、牛肉と卵の煮込みを作ります。お供えはしませんが、大晦日の夜には夫婦でお茶を飲みながら、新しい年を迎える瞬間を楽しみます。元旦の早朝には2人の子供にお年玉も渡します」とマリア・グエンさんは語る。

 マリアさんによると、イスラム教徒の男性と結婚したベトナム人女性の多くは、ベトナムのテトを祝わなくなるという。しかし、マリアさん一家は信仰に反しないよう、テトを祝っている。「親戚や友人に会って食事をしたり、話をしたりします。皆に渡すため、バインテットを20~30個作ることもありますよ」とマリアさん。

 ベトナム式にテトを祝うことはできないが、ベトナム人のイスラム教徒もテトには家族の待つ家に帰り、バインチュンを食べ、少なからずテトの雰囲気を楽しみにしているのだ。

前へ   1   2   3   次へ
[VnExpress 00:00 21/01/2020, A]
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
© Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved 免責事項

この記事の関連ニュース

 ホーチミン市8区ズオンバーチャック(Duong Ba Trac)通り157番地の路地には、イスラム教を信じるチャム...
 サイゴン商業総公社(サトラ=Satra)はこのほど、ホーチミン市1区でコンビニエンス・フードストア「サト...
 ホーチミン市中心部の1区ドンズー通り66番地(66 Dong Du St., Dist.1, Ho Chi Minh City)には、同市で...
 ホーチミン市には、中華系の人々が集まる「中華街」(チョロン地区=5区・6区・11区の一部)、西洋人が集...
 ホーチミン市ビンタイン区ファンバンハン(Phan Van Han)通りにあるアパートは、この20年間にチャム族が...

新着ニュース一覧

 商工省と複数の省・市における太陽光発電事業を巡る違反事件で、ハノイ市人民裁判所は、ホアン・クオッ...
 国家主席府は4月29日、受刑者8055人と刑執行猶予中の1人の計8056人に対する国家主席の特赦の決定を発表...
 第15期(2021年~2026年任期)国会第9回会議が5月5日に開幕した。  今国会では、国家構造に関する201...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
(※本記事はVIETJOベトナムニュースのオリジナル記事です。) ロンドン:歌謡曲でムードたっぷり、街角...
 ホーチミン市文化スポーツ局は、4月30日の南部解放記念日にサイゴン川沿いエリアで実施を計画していた...
 南部解放・南北統一50周年(1975年4月30日~2025年4月30日)事業の一環で行われた軍事パレードを見物する...
 衣料の製造・販売を行う韓国のレシピグループ(Recipe Group)はこのほど、同社が展開するファッションブ...
 ルオン・クオン国家主席は4月28日、北中部地方ハティン省でラオスのトーンルン・シースリット国家主席 ...
 インボイスに関する政令第123号/2020/ND-CPの一部を改正・補足する政令第70号/2025/ND-CP(6月1日施行)...
 カナダの金融・保険サービス比較会社 「ハローセーフ(HelloSafe)」はこのほど、世界各国における株式市...
 ハノイ市人民評議会は4月29日、バイオテクノロジー分野に特化した「ハノイバイオハイテクパーク」の建...
 日本の経済産業省とベトナム商工省は4月28日、エネルギートランジションに係る二国間協力プロジェクト...
 東南部地方ビンズオン省のビンズオン新都市ワールドトレードセンター(WTC EXPO)で5月7日(水)から9日(金...
 イタリアのサンペレグリノ(Sanpellegrino)とアクアパンナ(Acqua Panna)が冠スポンサーを務める「アジア...
 日本の警察庁組織犯罪対策部はこのほど、令和6年(2024年)における組織犯罪の情勢(確定値版)を発表した...
トップページに戻る