ハノイ旧市街の共同便所の上で暮らして40年以上、夫婦の今

2023/04/30 10:18 JST配信

 夫婦は共同便所から漂う悪臭を少しでも軽減すべく、毎日こまめに掃除しなければならない。夏場は特に臭いがきつく、日々の掃除も大変だ。

イメージ写真
イメージ写真

 「夫と結婚したときは、特に深く考えていませんでした。当時は結婚ってとてもシンプルだったんです。夫の家がどんなかなんて知りませんでしたし、家を訪ねたこともありませんでした。結婚して初めて夫の家を目にして、驚愕しました。でも、結婚したら夫に従わないといけないし、どうしよう、ってね」とサムさんはハイさんと結婚したころを振り返る。

 ハノイ市ホアイドゥック郡出身のサムさんはきょうだいが多いが、故郷に帰ることはめったにない。サムさんの経済状況を知っている甥や姪たちは、サムさんを母親のように大事にし、世話をしてくれている。

 かつてはサムさんも、生計を立てるために色々な仕事をしていた。若いころは野菜や果物を売り、その後はブンリエウ(カニ風味のトマトスープ米麺)やチャオ(お粥)の屋台を切り盛りした。しかし、何年も前に関節痛がひどくなり、歩くのも困難になって店を畳んだ。現在の収入は子供からの仕送りと、ハイさんが空気入れで稼ぐ小銭だけだ。

 家の上り下りには外付けの階段を使わなければならないが、これが不便で、トイレや料理の用事で下に行くたびにサムさんは立ち眩みを恐れて後ろ向きに階段を降りる。そのため、特に重要な用事でない限り、サムさんは家の中にただ座って周りを眺めている。

 ハイさんとサムさんには息子と娘が1人ずついる。以前は4人で暮らしていたが、息子は結婚して別々に住んでいる。娘は安定した仕事に就いており、今も夫婦と一緒に暮らしている。

前へ   1   2   3   次へ
© Viet-jo.com 2002-2026 All Rights Reserved 利用規約 免責事項

この記事の関連ニュース

 ハノイ市では、多くの重点交通インフラ事業が一斉に進められており、都市の姿が変わりつつある。土地収...
 米国人のトレバーさん(男性・21歳)は、ハノイ市ホアンキエム区チャンティエン街区トンダン通りにある築...
 ホーチミン市3区のグエントゥオンヒエン(Nguyen Thuong Hien)通りに面した一角に、幅わずか1.5mという...
 ハノイ市ホアンキエム区のハンボン(Hang Bong)通りとフーゾアン(Phu Doan)通りの交差点に、ハンボン集...

新着ニュース一覧

 不動産開発を中核とする民間複合企業ビングループ[VIC](Vingroup)は、ハ
 ベトナム水産加工輸出協会(VASEP)の統計によると、2026年1~6月のホタテ貝の輸出額は前年同期の2.4倍の...
 南中部地方ダナン市人民委員会は、ダナン市ハイチャウ街区(phuong Hai Chau、旧ハイチャウ区)のグエン...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
前編はこちら  烈士(戦死者)の遺骨を捜す任務に就いて3年になる、北中部地方クアンチ省軍事司令部所...
 南中部地方ザライ省フラ村(xa Hra)で12日、面積74.5haに及ぶ「第2マンヤン産業クラスター」の建設プロ...
 韓国ロッテグループ傘下の広告代理店である大弘企画(Daehong Communications)のベトナム法人はこのほど...
 世界唯一の航空安全・製品格付けサイト「エアラインレイティングス(AirlineRatings)」は11日、「フライ...
 米国の航空宇宙メーカーであるスペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ(スペースX=SpaceX)の...
 中国の吉利汽車(ジーリー=Geely Automobile)傘下のプレミアム自動車ブランドであるリンク・アンド・コ...
 自動車向け人工知能(AI)技術を手掛けるイスラエルのオートブレインズ(Autobrains)は、ドイツ・ミュンヘ...
 ハノイ市がん腫瘍病院は、大腸がん治療中に犬肉を食べたことで、殺鼠剤中毒による深刻な凝固障害と眼出...
 決済アプリ「モモ(MoMo)」を運営するオンラインモバイルサービス社(Mサービス=M_Service)は、不動産開...
 ホーチミン市サイゴン街区(旧1区)にあるホーチミン高島屋が入居する複合商業施設「サイゴンセンター(Sa...
 日本国内最大規模のネイチャーベースのカーボンクレジット創出・販売事業を展開するGreen Carbon株式会...
 ニュージーランドを国賓訪問中のトー・ラム書記長 兼 国家主席は13日、オークランドでクリストファー・...
トップページに戻る