さらに探訪を続けてみると、今度は市場で働く商人たちの写真を掲載した掲示板を見つけた。大勢が集まっての食事会や学生への学費の授与、表彰式、祝い事など、寺以上にさまざまな行事、活動を行っている。そして写真が最も多いのがサッカー大会。ベトナム人のサッカー好きは、チェコでも健在のようだ。写真一つ一つが、サパ・プラハで働き、暮らし、交流する、ベトナム人のコミュニティがよく根付いていることを裏付けていた。
![]() (C) T.Sasaki |
ベトナムを離れて暮らす人々にとってサパ・プラハは、働いたり買い物をする場所でもあると同時に、同郷の人々と交流し故郷を感じることができる、心のよりどころにもなっているのかもしれない。
さまざまな行事や会合の写真を展示する掲示板
帰り際、社会科見学と思しきチェコ人学生と引率の先生の一団とすれ違う。学生たちは、普段見慣れない食べ物や商品に興味津々の様子。中には店頭に立つ商人に、商品について質問をしている学生もいた。自身の国で少数民族となっているベトナムの文化を現地の若い世代にもぜひ知ってもらい、互いに理解を深め合ってほしいと願いながら、サパ・プラハを後にした。
社会科見学で来ていた学生たち
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