- 総検挙件数・人員ともにベトナムが最多
- 検挙件数のベトナムの構成比44.5%
- 総検挙人員のベトナムの構成比32.8%
日本の警察庁組織犯罪対策部はこのほど、令和6年(2024年)における組織犯罪の情勢(確定値版)を発表した。訪日外国人犯罪情勢に関するデータによると、2024年の国籍等別の総検挙件数・人員ともにベトナムと中国の2か国で全体の約5~6割を占め、いずれもベトナムが最多となっている。
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2024年の訪日外国人犯罪の総検挙件数は前年比+20.5%増の2万1794件、総検挙人員は同+5.5%増の1万2170人だった。
総検挙件数の国籍等別の内訳は、◇ベトナム:9690件(構成比44.5%)、◇中国:2866件(同13.2%)、◇タイ:1201件(同5.5%)、◇カンボジア:991件(同4.5%)、◇フィリピン:873件(同4.0%)など。
総検挙人員の国籍等別の内訳は、◇ベトナム:3990人(構成比32.8%)、◇中国:2011人(同16.5%)、◇フィリピン:732人(同6.0%)、◇タイ:644人(同5.3%)、◇ブラジル:578人(同4.7%)などとなっている。
ベトナムの検挙件数のうち、刑法犯が前年比+46.8%増の5992件(同44.7%)、特別法犯が同▲4.4%減の3698件(同44.1%)。検挙人員のうち、刑法犯が同▲1.9%減の1578人(同24.8%)、特別法犯が同▲8.0%減の2412人(同41.6%)となり、いずれも国籍等別で最多だった。
ベトナムの刑法犯検挙件数を包括罪種等別にみると、窃盗犯が4964件と82.8%を占め、このうち万引きが17.8%となっている。検挙人員については、窃盗犯が834人と52.9%を占め、このうち万引きが26.8%となっている。
ベトナムの刑法犯検挙人員を在留資格別にみると、「技能実習」が647人(構成比率41.0%)、「特定技能」が204人(同12.9%)、「留学」が190人(同12.0%)などとなっている。
ベトナム人の在留者は、在留資格別でみると、「技能実習」、「特定技能」、「技術・人文知識・国際業務」が増加傾向にあり、一部の素行不良者がSNSなどを介して犯罪組織を形成するなどしている。
ベトナム人による犯罪は、刑法犯では窃盗犯が多数を占める状況が一貫して続いており、手口別では万引きの割合が高いものの、侵入窃盗の増加がみられる。このほか、知能犯では、他人名義で契約した電子決済サービスを利用して不正決済を行う詐欺事案などが発生している。
また、特別法犯では、入管法違反が多数を占める状況が続いており、「技能実習」などの在留資格を有する者が、在留期間経過後も就労目的で不法に残留したり、偽造在留カードを入手したりして、正規滞在者を装うなどの事案が多くみられる。