【第74回】7-Elevenで見える、日越の飲料ギャップ

2025/09/23 22:00 ICT配信

 

日本とベトナムのコンビニ飲料の違い

日本とベトナムでは、コンビニで販売されている飲料にどのような違いがあるのでしょうか。そこで今回、東京とホーチミンのセブンイレブンを対象に、取り扱い商品のSKU(取扱商品数)を比較してみました。

同規模の店舗を比べると、SKU数は日本が539、ベトナムが471と、日本がわずかに多い程度にとどまります。しかし、カテゴリー構成や商品特性を詳しく見ていくと、両国の市場特性や消費者の嗜好の違いがより鮮明に浮かび上がってきます。

  

茶類に表れる甘さの嗜好

まず茶類に顕著な差が見られます。日本では緑茶や烏龍茶など無糖のラインナップが主流で、健康志向や自然な味わいを重視する消費者に支持されています。一方ベトナムではピーチやライチ、レモンといったフルーツフレーバーを加えた甘い紅茶が中心で、若年層を中心に「飲みやすさ」や「楽しさ」を求める傾向が強く現れています。甘味と無糖の比率を比較すると、日本は無糖が58%、ベトナムは甘味付きが83%と、好みの違いが際立ちます。

  

日本に多い機能性飲料

次に機能性飲料の展開です。日本ではエネルギー補給にとどまらず、ビタミンやミネラル、プロテイン、コラーゲン、美容や睡眠サポートなど多様な機能を持つ商品が揃っており、きめ細かいニーズに応える市場が形成されています。これに対してベトナムでは、機能面の需要は主に乳酸菌飲料でまかなわれており、その他の機能特化型ドリンクはまだ限定的です。

  

コーヒー・果汁飲料の違い

コーヒーや果汁飲料も大きな違いを示します。日本では缶やペットボトルのRTD(レディトゥドリンク)が豊富で、外出先での利便性を重視した消費が根付いています。これに対し、ベトナムではカフェやジュースバーといった外食チャネルが主役であり、コンビニの棚に並ぶRTDコーヒーやジュースの数は限られています。

  

対照的なブランド構成

ブランド構成も対照的です。日本では国内ブランドが84%を占め、国産メーカーが市場を主導しています。一方のベトナムではコカコーラ、ペプシ、ハイネケンといった海外ブランドが75%を占めており、棚を大きく支配しています。VinamilkやTH Milkといった国内企業も存在感を示しますが、まだ比率は小さいのが現状です。

  

取扱商品の背景にあるもの

こうした違いの背景には、消費者層の構成があります。日本は幅広い年齢層が利用するため、健康志向や機能性といった多様なニーズに対応する細分化が進んでいます。一方ベトナムは10代・20代が中心で、シンプルで甘く、親しみやすい商品が強い支持を得ているのではないでしょうか。今後、ベトナムの市場がより成熟化し、趣向が多様化していくと、機能性飲料などより多様な選択肢が用意されてくるのではないでしょうか?

著者紹介
株式会社Asia Plus代表取締役社長 黒川賢吾

株式会社Asia Plus ( www.asia-plus.net )代表取締役社長。
NTT、ソニー、ユニクロにて海外マーケティングを担当。
2014年にAsia Plusを設立しベトナムマーケットリサーチサービス
「Q&Me( www.qandme.net )」を展開中


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