政府監査部はこのほど、保健省によるインフルエンザ治療薬タミフルとその原料オセルタミビルの購入過程についての調査報告書を発表し、同省に複数の誤りがあったと指摘した。
報告書によると、保健省は2003年から2005年にかけてベトナムでのH5N1型鳥インフルエンザ感染例が91例しかないにもかかわらず、3000万錠(300万人分)のインフル治療薬備蓄計画を立案。その後政府は、備蓄量を2000万錠に引き下げ、1000万錠は2006年3月までに生産し、残りの1000万錠分については原料の形で備蓄するよう指示した。
保健省は国内製薬企業4社に生産発注する際、その前に必要な首相への報告・上申義務を怠ったほか、4社の原料調達に際しても支援を怠ったため、4社は原料約2300キログラムについて保健省の定めた額より高い価格で購入することとなった。さらに保健省は生産した治療薬の安全性や治療効果に関する必要な検査をまだ実施していない。
政府監査部は保健省に対し、内部調査を実施して誤りのあった個人・組織の責任を明確にし、適切に処分するよう要請した。