ホーチミン:合併症併発の患者を強制退院、執刀医は無資格

2011/12/29 08:42 JST配信

 ホーチミン市10区グエンチータイン通りにある民間クリニックで手術を受けた患者が腹膜炎などの合併症を併発した状態のまま、入院費の支払能力が無いという理由で、クリニックを追い出されていたことが明らかとなった。26日付トゥオイチェー紙(電子版)が報じた。

 この患者は同市1区ファムグーラオ地区在住のグエン・ティ・トゥエット・マイさん(女性:67歳)で、今年8月下旬に腹部に痛みを覚え、同クリニックで診断を受けた。診察を担当した同クリニックのオーナー、レ・クオック・ベト医師(同市チュンブオン救急病院在職医)により、直腸脱および子宮脱と診察されたマイさんは、長年掛けて貯めたお金から720万ドン(約2万5735円)を支払い、同クリニックで手術を受けた。

 術後の経過を見るため入院することになったマイさんだったが、病状は日増しに悪化していった。既に入院費が支払えなくなっていたマイさんは9月1日、遂にクリニックを追い出されてしまう。数日後には全く飲食が出来ない状態になり、見かねた職場の同僚らが治療費をカンパし、クリニックへ再入院させたが、一週間も経たないうちに、また追い出されてしまった。

 マイさんは現在、サイゴン病院で治療を続けている。マイさんは身寄りや親しい友人がいないため、治療費はファムグーラオ地区住人らの寄付金で賄っているという。執刀したベト医師は一度も面会に来ることは無かった。地元住民らは、マイさんの病状が悪化したのはベト医師に責任があるとして、管理当局に直訴。これを受けた当局がクリニックを調査したところ、ベト医師は診療資格を有するものの、執刀資格を有していないことが発覚した。同市保健局では、既にこの報告を受けており、早急に処分を下すとしている。

[Quoc Ngoc, Tuoi Tre, 06:43 (GMT+7) 26/12/2011 U]
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
© Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved 免責事項

この記事の関連ニュース

 メコンデルタ地方カント―市総合病院でこのほど、同市トイライ郡在住のフア・カム・トゥさん(女性:37...
 ホーチミン市のチョーライ病院で18日、麻酔技師が似た名前の患者を取り違えて麻酔を行い、患者が危篤状...

新着ニュース一覧

 公共の場に自動体外式除細動器(AED)を設置するベトナム初の取り組みが始まった。心停止後の初動対応力...
 インターネット接続の性能を評価するウェブサイト「スピードテスト(Speedtest)」を運営する米国のオー...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 格安航空会社(LCC)最大手ベトジェットエア[VJC](Vietjet Air)は、米ボー
 南部メコンデルタ地方ドンタップ省に住むファン・ゴ・ジエム・フオンさん(女性・18歳)には「我が家」が...
 ベトナムの決済アプリ大手「モモ(MoMo)」は、世界的保険グループであるチャブグループ(Chubb Group)傘...
 ホーチミン市当局は10月、ビンチュン街区(旧トゥードゥック市)のマイチート(Mai Chi Tho)通りに全長約5...
 KDDI株式会社(東京都港区)は11日、ベトナム郵便通信グループ(Vietnam Posts and Telecommunications Gr...
 株式会社多摩川ホールディングス(東京都港区)の孫会社である多摩川電子ベトナム(TAMAGAWA ELECTRONICS ...
 家具・建築用金物製造販売を手掛ける株式会社中尾製作所(三重県津市)は4日、東南アジア地域における販...
 ホーチミン市タンミー街区(旧7区)のサイゴンエキシビション&コンベンションセンター(SECC:799 Nguyen...
 ベトナム共産党政治局は、政治システムにおける職位・職務区分を改定する決定第368号-QD/TWを公布した...
 地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)傘下の電
 マレーシアを公式訪問したチャン・タイン・マン国会議長は同国の首都クアラルンプールで19日にジョハリ...
 電動バイクの生産・販売を手掛ける地場スタートアップのダットバイク(Dat Bike)は18日、シリーズBラウ...
トップページに戻る