ホーチミン市10区グエンチータイン通りにある民間クリニックで手術を受けた患者が腹膜炎などの合併症を併発した状態のまま、入院費の支払能力が無いという理由で、クリニックを追い出されていたことが明らかとなった。26日付トゥオイチェー紙(電子版)が報じた。
この患者は同市1区ファムグーラオ地区在住のグエン・ティ・トゥエット・マイさん(女性:67歳)で、今年8月下旬に腹部に痛みを覚え、同クリニックで診断を受けた。診察を担当した同クリニックのオーナー、レ・クオック・ベト医師(同市チュンブオン救急病院在職医)により、直腸脱および子宮脱と診察されたマイさんは、長年掛けて貯めたお金から720万ドン(約2万5735円)を支払い、同クリニックで手術を受けた。
術後の経過を見るため入院することになったマイさんだったが、病状は日増しに悪化していった。既に入院費が支払えなくなっていたマイさんは9月1日、遂にクリニックを追い出されてしまう。数日後には全く飲食が出来ない状態になり、見かねた職場の同僚らが治療費をカンパし、クリニックへ再入院させたが、一週間も経たないうちに、また追い出されてしまった。
マイさんは現在、サイゴン病院で治療を続けている。マイさんは身寄りや親しい友人がいないため、治療費はファムグーラオ地区住人らの寄付金で賄っているという。執刀したベト医師は一度も面会に来ることは無かった。地元住民らは、マイさんの病状が悪化したのはベト医師に責任があるとして、管理当局に直訴。これを受けた当局がクリニックを調査したところ、ベト医師は診療資格を有するものの、執刀資格を有していないことが発覚した。同市保健局では、既にこの報告を受けており、早急に処分を下すとしている。