ベトナムに初めてカード式有料公衆電話(電話ボックス)が設置されてから20年が経過した。ベトナム郵便通信グループ(VNPT)はこのほど、今年10月1日までにホーチミン市にある全てのカード式公衆電話を撤去することを決定した。14日付サイゴンタイムズ紙(電子版)が報じた。
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カード式公衆電話の撤去については、同市情報通信局の提案を受けた同市人民委員会のレ・マン・ハー副主席が今月13日、VNPT HCMに対し、今年10月までの完全撤去を要請していた。
ベトナムのカード式公衆電話は1991年、マレーシアのSAPURA社が試験導入を開始。その後、1993年までは「UNIPHONAKED」という名称で、ハノイ市とホーチミン市で正式に導入され、市内を巡る通りという通りに黄色の電話ボックスが設置された。
1997年には、VNPT傘下のGPC社による青色のカード式公衆電話「CardPhone Vietnam」が展開を開始。街で見かける電話ボックスの色は次第に黄色から青に変わっていき、2001年にSAPURA社はベトナムから撤退を発表した。
ベトナムが携帯電話の輸入を開始したのが1995年。その後の携帯電話の普及は目覚しく、携帯電話の契約者数は人口の2倍近い1億5400万人とも言われる。ホーチミン市の公衆電話はその役目を終え、残された閑かな余生を過ごしている。