東北部バクカン省ガンソン郡フオンネー村のナモ洞窟でこのほど、6000年以上前のものと思われる墓が発見された。
発掘の指揮を執った考古学研究所のチン・ナン・チュン博士によると、ナモ洞窟は7000年前から3500年前にかけてヒトが住んでいた遺跡だという。発見された墓から見つかった貝殻を調べた結果、6000年余り前のものだと判明した。研究者らは、当時の生活環境を研究するために花粉や胞子も採集した。
墓は6基見つかったが、人骨はバラバラになっていた。興味深いのは、歯がないなど頭蓋骨が納められていた痕跡がないことだ。研究者らは、東南アジア地域の原始人の慣習として広く見られる「首狩り」と関係があるのでは、と考えている。
墓からは石器など多数の遺物も発見された。2つの文化が発展していた様子がうかがえるという。初期の文化層では、ホアビン・バクソン文化に属する石器や、粉に粉砕して化粧に使ったと思われる褐色の鉱物が、後期の文化層では陶器など見つかっている。