脳死患者から6人に臓器移植、1000km越えて心臓と肺も

2015/07/23 15:30 JST配信

 ホーチミン市のチョーライ病院は21日、脳死患者から複数の臓器を摘出し、6人に移植したと発表した。摘出された臓器は、角膜(2枚)、心臓及び肺、肝臓、腎臓(2つ)で、肝臓と腎臓は同病院で3人の患者に移植された。角膜はアイバンクを通じて2人の患者に提供される。

 心臓と肺は、北中部トゥアティエン・フエ省フエ市のフエ中央病院に入院治療中の患者に無事移植されたが、移植に至る過程はかなりスリリングなものだった。摘出された臓器は通常24時間保存できるが、心臓は3時間、肺は4時間しか保存できない上、ホーチミン市とフエ市の間は約1000km離れている。

 脳死患者と待機患者の血液のマッチテストの結果が出るのを待っていては間に合わないため、心臓と肺は航空機で緊急輸送された。テストの結果によっては、無駄になることも覚悟していたという。幸いにも結果は移植可能と出た。

 チョーライ病院のグエン・チュオン・ソン院長は「脳死患者の家族による非常に意義ある決断は、賞賛に値する。脳死患者は亡くなったが、摘出された臓器で6人の患者が救われた」とコメントした。

[Vietnamnet,18:15 | 21/07/2015,O]
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
© Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved 免責事項

この記事の関連ニュース

 ホーチミン市チョーライ病院は17日、脳死の男性患者Hさん(38歳)から提供された臓器の移植手術を6人の患...
 2004年にベトナムで初めて肝移植を受けたグエン・ティ・ジエップさん(女性)が、11月29日早朝に故郷の北...
 不慮の事故で脳死となった息子を「生かす」ため、ハノイ市に住むカン・ティ・ガンさん(女性・59歳)は、...
 ハノイ市の第108軍隊中央病院は16日、2月26日に国内で初めて脳死患者から肺疾患のある男性患者への胚移...
 ハノイ市の中央眼科病院で2月26日、脳腫瘍で亡くなった7歳のハイ・アンちゃんの角膜が2人の患者の瞳に...
 北中部地方トゥアティエン・フエ省フエ市のフエ中央病院は24日、3D内視鏡を用いた胃がんの腹腔鏡下手術...
 ベトナム人医師が初めて執刀した心臓移植手術の患者が17日、中部フエ市のフエ中央病院を退院した。17日...
 ハノイ市のベトドク病院で9日午後6時ごろ、国内で初めての脳死患者からの腎臓移植手術が行われた。同日...

新着ニュース一覧

 商工省によると、2025年におけるベトナムの輸出入総額は推定で約9200億USD(約144兆円)となり、過去最高...
 ベトナム建設省は19日、ラオカイ~ハノイ~ハイフォン間鉄道建設事業の第1サブプロジェクトの着工式を...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 ホーチミン市都市鉄道(メトロ)1号線(ベンタイン~スオイティエン間)を運行する同市メトロ1号線有限会社...
 ある日の午後、60代と思われる男性が、壊れたデュポン(Dupont)製のライターを手に、ホーチミン市チョロ...
 軍事ウェブサイトのグローバル・ファイアパワー(Global Firepower=GFP)が発表した2025年版の世界軍事...
 ファム・ミン・チン首相は20日、ペトロベトナムグループ(Petrovietnam=PVN)のレ・マイン・フン会長を...
 再生可能エネルギー事業を手掛けるイーレックス株式会社(東京都中央区)は、同社が開発を進めている西北...
 一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)は15日、ベトナムの新たなドローン産業団体であるベトナム低...
 電子機器・電気機械器具の製造・販売を手掛けるコーセル株式会社(富山県富山市)は、海外子会社(非連結...
 ベトナムで初となる軽量軌道交通(LRT)路線が19日、南部メコンデルタ地方アンザン省フーコック特区(島)...
 米国の調査機関World Population Review(WPR)が先般発表した
 ホーチミン市では現在、計1万8613台のタクシーが運行されており、このうち電気自動車(EV)が1万3124台で...
 レ・タイン・ロン副首相はこのほど、「2025~2035年の外国語教育強化計画および2045年までのビジョン」...
 ベトナム国家大学ホーチミン市校(ホーチミン市国家大学=VNU-HCM)の副学長を務めていたグエン・ティ・...
トップページに戻る