2007年9月26日に発生したカントー橋崩落事故から10年が経過した。9月23日午前、日本人土木技術者約15人が家族らと共に訪越し、事故現場を訪問した。中には犠牲者への想いや事故発生から工事再開、竣工までの人々の努力を想い、涙する人もいたという。
(C)Hanh Nguyen, Tuoi Tre |
同日の午後にはベトナム人土木技術者の一団がメコンデルタ地方ビンロン省ビンミン町ミーホア郡を訪れ、犠牲者55人の慰霊碑に線香を手向け追悼した。事故から10年、カントー橋建設のベトナム人現場責任者たちは毎年慰霊碑を訪れている。
メコンデルタ地方カントー市とビンロン省の境を流れるハウ川に架けられたカントー橋は、日本の政府開発援助(ODA)案件として2004年9月に着工。2008年末に完成予定だったが、2007年9月26日に橋げたの崩落事故が発生し、作業員55人が死亡、80人が負傷するというベトナム建設史上最大の惨事となった。
カントー橋は、崩落事故から11か月後の2008年8月に工事が再開され、2010年4月24日に開通した。同橋は全長2750m、幅員23.1m(往復分離の4車線)で、斜張橋としては東南アジア最長を誇っている。