ホー・チ・ミン主席死去から50年、最期の日々をたどる

2019/09/01 05:18 JST配信

 ホー・チ・ミン主席は病床でもほとんど国民のことばかり考えていた。紅河(song Hong)の堤防が決壊するかもしれないというときも、中央政府が安全区に避難するよう勧めても「国民を見捨てることはできない。国民の心配をすることが第一だ」としか言わなかった。

ホー・チ・ミン廟(ハノイ市)
ホー・チ・ミン廟(ハノイ市)

 危険な状態の後に目が覚めるたび、まず口にする言葉は「紅河の水位は下がったか?今日は南部の同胞たちはどこで勝利したか?」だった。そのため、中央政府は万が一ハノイ市が冠水したときにホー・チ・ミン主席を安全区へ避難させるために水陸両用車を用意し、さらに国民を救助するために別の水陸両用車も多数用意した。

 1969年8月12日、ホー・チ・ミン主席は、1973年のパリ協定での交渉に尽力したレ・ドゥック・ト氏とハノイ市のホータイゲストハウスで面会した。戦争を終わらせ、ベトナムの平和を取り戻すための交渉の状況に関する報告を聞くためだった。

 その夜、ホー・チ・ミン主席は咳や発熱を起こし、病状は日に日に悪化していった。それでも主席は何とか仕事を続けていた。医師は8月17日の夜に執務用の家から裏の小さな家に移るよう提案した。この小さな家は、爆弾を避けるために政治局が1967年に建てたものだった。

 8月30日、ホー・チ・ミン主席は重病ながらも、361師団のミサイルが米国の無人航空機を撃ち落としたと聞くと、兵士らに花を送った。また、9月2日の建国記念日(国慶節)に先立ちハノイ市の墓地に眠る戦死者にも、そしてバーディン街区第4区警察隊と第1道路交通安全隊にも花を送った。

前へ   1   2   3   次へ
[VnExpress 09:55 29/8/2019, A]
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
© Viet-jo.com 2002-2024 All Rights Reserved 免責事項

この記事の関連ニュース

 東北部地方カオバン省ハークアン郡人民委員会は6日、故ホー・チ・ミン主席が1941年から4年間を過ごし、...
 2020年5月19日、故ホー・チ・ミン主席の生誕130周年を迎えた。  これに合わせて、70年近くフランス...
 ベトナム建国の父である故ホー・チ・ミン主席が5月19日に生誕130周年を迎えることを受け、情報通信省は...
 2019年は新暦4月14日が旧暦3月10日のフン王の命日にあたります。フン王の命日に際して、ベトジョー(VIET
 2019年は新暦2月5日がテト(旧正月)の元旦。テトに際して、VIETJOベトナムニュースから、テトに関す
 2019年は新暦2月5日がテト(旧正月)の元旦。テトに際して、VIETJO LIFEから、テトに関する過去の記事
 今から43年前の1975年4月30日、サイゴンの南ベトナム大統領官邸(現在のホーチミン市の「統一会堂」)の...

新着ニュース一覧

 南部メコンデルタ地方キエンザン省人民委員会は、故ホー・チ・ミン主席の生誕134周年(18905月19日年~2...
 ベトナム共産党中央執行委員会は18日、第15期(2021~2026年任期)の国家主席候補としてトー・ラム公安相...
 カーボンクレジット創出販売や農業、環境などの事業を手掛けるGreen Carbon株式会社(東京都港区)はこの...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 最近、犬のしつけや訓練を専門に行うドッグトレーナーは、安定した収入が得られる職業となりつつある。...
 ベトナムの鉄鋼産業は2010年代から飛躍的な成長を遂げ、鉄鋼の生産と消費において東南アジア諸国連合(A...
 シンガポールのチャンドラー・ガバナンス研究所(Chandler Institute of Governance=CIG)は15日、各国...
 米経済誌フォーブス(Forbes)は、「アジアを代表する30歳未満の30人(30 Under 30 in Asia)」2024年度版...
 ホーチミン市3区チャンクオックトアン(Tran Quoc Toan)通り12番地にあるグエンティジエウ(Nguyen Thi D...
 日本政府は13日、日本NGO連携無償資金協力「ソンラ省における少数民族の生計向上のための農業及び栄養...
 デンマークのジュエリーブランド「パンドラ(Pandora)」は16日、東南部地方ビンズオン省の第3ベトナム・...
 ハノイ市ホアンキエム区警察は17日、旧市街地で日本人観光客から財布を盗もうとした窃盗の疑いで、中国...
 ホーチミン市7区のサイゴンエキシビション&コンベンションセンター(SECC:799 Nguyen Van Linh, quan ...
 ハノイ市タイホー区人民委員会は13日、かつてのブオイ地区(現在のタイホー区ブオイ街区)で、「ゾー(do)...
 南中部沿岸地方クアンナム省資源環境局は15日、全国初となる省レベルの生物多様性博物館をタムキー市で...
 世界最大の旅行プラットフォーム「トリップアドバイザー(Tripadvisor)」は、「2024 トラベラーズチョイ...
トップページに戻る