フィリピン開催の第30回東南アジア競技大会(SEA Games 30)は12月10日に男子サッカーの決勝が行われ、パク・ハンソ監督率いるU-22ベトナム代表がU-22インドネシア代表に3-0で勝利して金メダルを獲得した。ベトナムが男子サッカーで金メダルを獲得するのは1959大会の南ベトナム代表以来で、実に60年ぶりの快挙。南北統一後では史上初となる。待ちに待った金メダルにベトナム全土が熱狂した。
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ベトナムはグループリーグで主将のMFグエン・クアン・ハイが肉離れで離脱。連戦が続く中で、DFドー・タイン・ティンも負傷してしまい、本来右のDFホー・タン・タイを左サイドで起用する応急措置で決勝に臨んだ。対するインドネシアは、開幕戦でタイを2-0で破るなど今大会のダークホース。グループリーグではベトナムも非常に苦戦したが、辛くも2-1で逆転勝ちを収めた。再び相まみえた両チームは序盤から激しく主導権を奪い合った。その後、立ち上がりの難しい時間をしのいだベトナムが徐々に流れを引き寄せ、39分にセットプレーのチャンスからDFドアン・バン・ハウが頭で決めて先制。ベトナムが前半を1点リードで折り返す。
先取点で精神的に優位に立ったベトナムは後半、じっくり守備を固めてカウンターを狙う得意の戦術が冴えわたった。59分にはMFドー・フン・ズンのミドルシュートで追加点。勢いに乗るベトナムは73分にもセットプレーのチャンスから相手GKがはじいたボールをDFドアン・バン・ハウが押し込んでダメ押しの3点目。その後、パク監督が退場処分となってベンチに指揮官が不在になってしまったが、ゲームプランが出来上がっているベトナムは、このハプニングにも動じることはなく、そのまま3-0で試合を終えた。最後はチームとしての成熟度の違いを見せつける形での完勝だった。
前日に行われた女子サッカーの決勝では、ベトナム女子代表がタイ女子代表を延長戦の末に1-0で破って大会2連覇を達成しているため、今大会のサッカー競技はベトナムのアベック優勝となった。これで、ベトナムサッカーは男女ともに、AFF選手権(AFFスズキカップ、AFF女子選手権)とSEA Gamesの東南アジア2大大会のディフェンディングチャンピオンの座についたことになる。
なお、同日行われた3位決定戦はU-22ミャンマー代表がPK戦の末にU-22カンボジア代表を下している。試合は90分と延長戦を終えて2-2。最後はミャンマーがPK戦を5-4で制して銅メダルを獲得した。
記事提供:ベトナムフットボールダイジェスト+