ハーバードで教鞭を取る若き越僑研究者

2006/10/28 07:12 JST配信

 米国のフレッド・ハッチソンがん研究センターが、生命科学分野で優秀な成果を上げた世界の優秀な大学院生らに毎年授与しているワイントローブ大学院生賞を、ライアン・ティン・ファンさんがこのほどベトナム人として初めて受賞した。

 ティンさんは、ホーチミン市医薬大学2年の時、家族とともにアメリカに移住。移住後しばらくは、生活費や英語の勉強をするためアルバイトに明け暮れたが、がん研究者になるという夢は持ち続けた。彼はベトナムにいた頃、ホーチミン市がんセンターを訪れた際、全身を襲う強烈な痛みに耐えられず、早く死なせてくれ、と医師の足もとにひざまずいて懇願するがん患者の姿を目の当たりにし、強い衝撃を受けたという。そして、いつかこうしたがん患者の役にたつような研究をすると心に誓ったのだ。

 カリフォルニア大学を卒業後、国立研究所研究員や名門スタンフォード大学の講師などを経て、コロンビア大学の奨学金で博士課程に進んだティンさんは、1年余り研究室に閉じこもり、リンパ腫に関する研究に没頭した。そして2000年に博士課程を優秀な成績で修了した彼は、ハーバード大学で講師の職を得た。しかしティンさんは言う。「私がハーバードでの職を選んだのは、収入や名誉のためではなく、私が望む研究に適した環境が整っていると思ったからです。今回の受賞はもちろん非常にうれしいことですが、私の研究がベトナムでがんに苦しむ少しでも多くの人々の役に立つことができたら、それほどうれしいことはありません」。

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