旧正月(テト)を控えたこの時期、ホーチミン市ではテト用の干し果物、干し菓子、あめなどの生産が盛んに行われている。生産量の増加と共に、食品安全衛生や消費者の健康に一切関心を払わない業者も増加中だ。9日付サイゴンザイフォン電子版が報じた。
ホーチミン市6区バンタン通りのある干し菓子製造施設では、皮をむいたカボチャやショウガ、ハスの実が足元に置かれ、その脇を従業員たちが行き来していた。汚水が飛び散っても誰も関心を示さない。ゆで上がったカボチャやショウガは砂糖で煮られるが、このとき何かの液体が加えられた。
従業員によるとこの液体は漂白剤で、「もし見つかれば処罰を受けることになるが、めったに検査はない。漂白剤を入れなければ色が黒ずんでしまって売り物にならない」と明かした。これはほんの一例で、市内の数多くの食品生産施設でこれと同様のことが行われている。
6区保健課長のグエン・バン・クアン医師は、「同区には約4300か所の食品加工施設があり、定期検査や抜き打ち検査を行っている。こうした施設の経営者や従業員向けの訓練教室を毎週開いて、食品安全衛生に関する違反行為防止に努めている。しかしテト前にはこの時期だけ営業する業者が多数現れるため、すべての違反業者の取り締まりにはとても手が回らないのが現状だ」と話した。