「貧困手帳」を自主返納した83歳の女性に奨励賞を授与

2019/10/25 05:19 JST配信

 北中部地方タインホア省人民委員会は22日、9月初めに「貧困手帳」を自主返納したドー・ティ・モーさん(女性・83歳)に対して奨励賞を贈った。

(C) Nguoi lao dong
(C) Nguoi lao dong

 同省トゥオンスアン郡ルオンソン村(xa Luong Son, huyen Thuong Xuan)人民委員会で授賞式が執り行われ、同省人民委員会主席がモーさんに賞状を授与した。授賞式には内務局や労働傷病兵社会局の幹部も列席した。

 モーさんは2018年にも同村人民委員会の社会政策部に貧困手帳の自主返納に訪れたが、高齢の一人暮らしであることから人民委員会は返納を受け入れなかった。その後、今年の9月初めに再度、1人自転車を漕いで自宅から1kmほど離れた役場に赴き、自らを貧困層に値しないと申し出た。すると、新しい基準に基づくとモーさんは貧困世帯には該当せず、今回は「希望通りに」貧困手帳の返納が認められた。

 モーさんは抗仏戦争時代に消防隊として祖国に貢献した。その後も繰り返される戦争の中、モーさんは故郷で戦争によるトラウマや喪失感、家族の戦死や枯葉剤被害に苦しむ人々を目の当たりにしてきた。そのような人々と比べれば自分は貧困には値しないと数年前から貧困手帳の返納を心に決めていた。そして手帳を返納することで、全国の貧しい人々がより良い生活を目指して自立するための励みになればと願っている。

 1987年に夫を亡くして以来、モーさんは稲作をして女手一つで11人の子供(うち1人は養子)を育て上げた。11人のうち2人は既に亡くなっている。高齢の現在は細い路地にある20m2の小さく古い家に2人で暮らし、稲と野菜を栽培しては売って生計を立てている。

[Nguoi lao dong 04:17 22 10 2019, T]
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
© Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved 免責事項

この記事の関連ニュース

 北中部地方タインホア省トゥオンスアン郡ルオンソン村(xa Luong Son, huyen Thuong Xuan)に住むドー・...
 グエン・スアン・フック首相はこのほど、2020年までに合法的な契約により海外に派遣される郡レベルの貧...
 第10期ベトナム共産党中央委員会第7回総会で採択された農業・農民・農村に関する決議が実施されてから...
 労働傷病兵社会省はこのほど、2016~2020年に適用する新貧困基準に基づく2016年の貧困世帯及び貧困に近...
 グエン・スアン・フック首相はこの度、持続的な貧困削減に関する2016年~2020年の国家目標プログラムを...

新着ニュース一覧

 インターネット接続の性能を評価するウェブサイト「スピードテスト(Speedtest)」を運営する米国のオー...
 格安航空会社(LCC)最大手ベトジェットエア[VJC](Vietjet Air)は、米ボー
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 ベトナムの決済アプリ大手「モモ(MoMo)」は、世界的保険グループであるチャブグループ(Chubb Group)傘...
 南部メコンデルタ地方ドンタップ省に住むファン・ゴ・ジエム・フオンさん(女性・18歳)には「我が家」が...
 ホーチミン市当局は10月、ビンチュン街区(旧トゥードゥック市)のマイチート(Mai Chi Tho)通りに全長約5...
 KDDI株式会社(東京都港区)は11日、ベトナム郵便通信グループ(Vietnam Posts and Telecommunications Gr...
 株式会社多摩川ホールディングス(東京都港区)の孫会社である多摩川電子ベトナム(TAMAGAWA ELECTRONICS ...
 家具・建築用金物製造販売を手掛ける株式会社中尾製作所(三重県津市)は4日、東南アジア地域における販...
 ホーチミン市タンミー街区(旧7区)のサイゴンエキシビション&コンベンションセンター(SECC:799 Nguyen...
 ベトナム共産党政治局は、政治システムにおける職位・職務区分を改定する決定第368号-QD/TWを公布した...
 地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)傘下の電
 マレーシアを公式訪問したチャン・タイン・マン国会議長は同国の首都クアラルンプールで19日にジョハリ...
 電動バイクの生産・販売を手掛ける地場スタートアップのダットバイク(Dat Bike)は18日、シリーズBラウ...
 消防関連設備を製造する韓国系のSテックビナ(S-TEC VINA)が、成長を遂げている。同社によると、ベトナ...
トップページに戻る