2022年1~3月期に発生したストライキの件数は前年同期比+40%増の64件に急増した。賃上げや手当、給食など福利の充実化、社会保険料などの十分な納付を求めるものが大半だった。
(C) thanhnien |
これは、ベトナム労働組合総連盟が26日に開催された給与と労働市場の安定化に関するワークショップで明らかにしたもの。
2018年から2021年までの4年間に発生したストライキの件数は計567件となっている。年間の件数は2018年の214件から2021年に107件まで減少したが、2022年に入って急激な増加に転じた。
<2018年~2022年1~3月期に発生したストライキ件数>
この背景には、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響が続く中で賃金が上がらないことと相まって、ロシアによるウクライナ侵攻を受け、石油関連製品の価格が世界的に上昇し、国内での物価も大きく上昇し、一部労働者の生活が困窮していることがある。
すべてのストライキは、労働組合が率いるものではなく労働者が自発的に行ったものだった。経済的な目的を追求するストライキが大半で、労働者らは冷静に抗議し、企業の機械設備を破壊するなどの行為はなかった。
ストライキが発生した時期は、テト(旧正月)前後が最も多く全体の30%を占めた。期間については、1~2日が大半で、中には5日続いたものもあった。
なお、ストライキが発生した企業を国・地域別でみると、韓国が最も多く、以下、◇中国、◇台湾、◇ベトナム、◇日本。業種別でみると、繊維・縫製が全体の40%を占めトップ。以下、◇履物・皮革:15%、◇電子:10%、◇木材加工:7%と続いた。
ベトナム労働組合総連盟は、ストライキを削減・防止するために最低賃金を2022年7月1日から引き上げることの必要性を主張した。