少数民族村の奇跡、枯葉剤被害の少年

2011/08/28 06:10 JST配信

 障害があるためドロエンは一日中、家の中や庭で遊んでいた。両親が畑仕事で家を出ているときは、自分のことは自分でやり、家畜の世話もした。ある日ドロエンは、自分も学校に行きたいと言って、両親を驚かせた。ヨアンは考え抜いた挙句、息子を小学校へ行かせることにした。嬉しさと不安がないまぜだったが、ドロエンは手足この無いものの頭は聡明だった。ヨアンは村の小学校に頼み込んで、何とか一年生のクラスに入れてもらえることになった。

 こうして、ドロエンは小学生になった。学校に入ると、ドロエンの生活は一変した。手が無いので、腕の先で鉛筆をつまみ一生懸命に文字を書く練習をした。足が無いので、地面に体を投げつけるようにして、数キロの通学路を往復した。そんなドロエンの姿を見て、クラスメートも先生も村中の人間が彼を受け入れるようになっていった。

 「息子は以前、周りの目を気にして人と接するのも苦手でした。でも、今では大勢の友達ができて、読み書きも計算もできるようになりました。」ヨアンは嬉しそうに語った。今年ドロエンは中学2年生になる。成績も極めて優秀、特に数学と美術の才能は先生のお墨付きだ。彼は毎朝、地面を這って通学している。村の古いしきたりを乗り越えて生きる彼を村人達は奇跡であると言う。

前へ   1   2   次へ
© Viet-jo.com 2002-2026 All Rights Reserved 利用規約 免責事項

この記事の関連ニュース

 車椅子に乗るのもやっとの女性が、紙とペンと格闘しながら、曲がって節くれだった指で美しい詩を紡ぎだ...
 骨の癌に侵され両足を失った花婿と枯葉剤被害者で両足麻痺を患った花嫁の結婚式が行われた。挙式した場...
 東南部タイニン省チャウタイン郡ドンコイ村在住のレ・ティ・ゴック・ザウさん(女性:23歳)はこのほど...
 ベトナム戦争において、米軍が枯葉剤の散布を始めてから8月10日でちょうど50年を迎えた。この日を記念...
 ハノイ市タインスアン区在住のグエン・チエン・タンさん (男性)は、マイクロソフト社のITエンジニア認...
 ハノイ市枯葉剤(エージェント・オレンジ)被害者協会は、枯葉剤被害者を支援するための基金設立を予定し...

新着ニュース一覧

 店主の一家が次々とこの世を去った後、フン・リンさん(女性)とゴック・リエンさん(女性)は、市場の路地...
 ベトナムの株式市場が21日付けで、インデックス開発大手の英FTSEラッセル(FTSE Russell)による市場分類...
 ベトナムで18日、米アップルの「iPhone 18」シリーズが発売され、全国の主要販売店で初日に数万台が事...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 インドの旅行雑誌「トラベル・アンド・ツアー・ワールド(Travel And Tour World=TTW)」が先般発表した...
 英国タイムアウト誌(Time Out)は16日、毎年恒例の「世界で最もクールな街トップ40(The 40 Coolest Neig...
 建設省は、外国の組織および個人の住宅所有権に関する規定の見直しを進めている。住宅法改正案で、外国...
 再生可能エネルギー事業を手掛けるイーレックス株式会社(東京都中央区)は、ベトナムの石炭火力発電所で...
 日本全国で「イオンシネマ」を運営するイオンエンターテイメント株式会社(東京都港区)などが出資するイ...
 不動産開発を中核とする民間複合企業ビングループ[VIC](Vingroup)傘下の
 韓国の教育企業であるハンエデュテック(Han Edutech)内のOK-TEST職業韓国語能力試験委員会はこのほど、...
 地場タクシー大手のビナサンタクシー[VNS](Vinasun)はこのほど、不動産開
 政府は9月3日付で、外資系投資家および外資系経済組織の物品売買・関連活動を規定する政令第342号/2026...
 地場のフィットネスチェーン大手であるシティジム(Citigym)は、全社的な事業再編に伴い、10月1日付けで...
 不動産開発を中核とする民間複合企業ビングループ[VIC](Vingroup)系の電
 日本政府観光局(JNTO)が発表した統計(推計値)によると、2026年8月の訪日ベトナム人数は前年同月比▲7.5...
トップページに戻る