阮朝皇帝の子孫は今―サイゴンで貧困に暮らすタインタイ帝の孫

2016/03/27 06:00 JST配信

 縁があって、タイさん夫婦は一人娘を連れてホーチミン市に出てきて、もうすぐ1年になる。娘の治療のために各地を走り回った後、ビンタン区のある医者が無料で定期的に鍼灸治療をしてくれることになった。この治療のおかげで娘の意識が覚めて動けるようになったことから、治療のためにこの近くに家を借りて住むことに決めた。

(C) vnexpress, Duy Tran, タイさん
(C) vnexpress, Duy Tran, タイさん
(C) vnexpress, タイさんと妻、娘
(C) vnexpress, タイさんと妻、娘
(C) vnexpress, ビン・ジウ皇子(左)と故キエット元首相(右)
(C) vnexpress, ビン・ジウ皇子(左)と故キエット元首相(右)
(C) vnexpress, Dac Duc
(C) vnexpress, Dac Duc

 初めの頃、彼らは1階の部屋を借りていたが、2か月後には屋上に移り、より広い12m2の部屋を安い賃料で借りることができた。辛いのは、子供を背負って階段を上り下りする時だ。

 タイさんはホーチミン市で仕事がなかったため、あちこちに出向いて建設労働の仕事を探している。仕事があれば、1日に約20万VND(約1020円)を稼ぐが、雇い主がいない日には収入もない。「とても心配です。今は私も妻も元気で子供を治療に連れて行くことができます。でも年老いてからはどうなるかわかりません。故郷にあった少しばかりの蓄えはもうなくなってしまいました」。

 タイさんは、「先祖の輝かしい過去は誇らしいことです。しかし今は将来を見て、貧しくてもきちんと生きて、先祖や自分の家系を裏切ることのないようにしたいです。貧しくても、自分の子供と一緒に生きるというのは有意義なことです」と語った。

 貧しさから抜け出せないタイさんは、父が死去してからの10年間、フエ市にある父の墓に一度も行けていなかった。しかし、2016年3月24日、阮朝第5代皇帝ズックドゥック(Duc Duc=育徳)帝(在位1883年)と第10代皇帝タインタイ帝、第11代皇帝ズイタン帝の3人の命日に合わせて、一家はようやくフエ市を訪れることができた。

 皇帝3人の命日は異なるが、遠方から訪れる子孫も多いため、毎年1日にまとめて儀式を行っている。渡航費は、フエ遺跡保存センターが支援した。同センターは、タイさん一家の暮らしを知って支援を決めたという。同センターはタイさん一家の生活費の一部も援助する。

 「父の墓をこの手できれいにすることができて、線香を手向けることができて本当に幸せです」。初めてグエン・フオック家の先祖と父の墓に手を合わせることができたタイさんは、あふれる涙をこらえることができなかった。

前へ   1   2   3   次へ
© Viet-jo.com 2002-2026 All Rights Reserved 利用規約 免責事項

この記事の関連ニュース

 北中部地方トゥアティエン・フエ省フエ市アンクウ街区ズイタン通りに、アンラン(An Lang=安陵)と呼ば...
 1802年から1945年にかけて存在したベトナムの最後の王朝である阮(グエン)朝の子孫を代表するグエンフッ...
 米国の競売会社GWSオークションズの発表によると、阮(グエン)朝(1802~1945年)第10代皇帝タインタイ(Th...
 阮(グエン)朝(1802~1945年)の王宮に仕えた最後の女性、レ・ティ・ジンさんが、21日午後1時45分に北中...
 阮(グエン)朝(1802~1945年)第10代皇帝タインタイ(Thanh Thai=成泰)帝(在位1889~1907年)の孫にあたる...
 北中部トゥアティエン・フエ省フエ遺跡保存センターは22日、世界遺産フエの建造物群の1つである「延壽(...
 阮朝(グエン朝)の第10代皇帝タインタイ(成泰)帝(在位:1889~1907年)の母親であるトゥーミン(慈明)皇太...
 北中部トゥアティエン・フエ省文化スポーツ観光局とフエ遺跡保存センターは29日、阮朝(グエン朝)最後の...

新着ニュース一覧

 台湾のICT業界大手であるライトン・テクノロジー(LITE-ON Technology)は、ベトナムで全額出資する子会...
 ホー・クオック・ズン副首相はこのほど、知的財産権侵害行為の撲滅・防止・対処策の実施を指示する首相...
 韓国の現代自動車(ヒョンデモーター=Hyundai Motor)グループはこのほど、韓国国際協力団(KOICA)および...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 ホーチミン市の中心部には、築140年以上の給水塔が今も存在している。この建築物は、19世紀末にフラン...
 株式会社クレステック(静岡県浜松市)のベトナム現地法人であるクレステックベトナム(CRESTEC VIETNAM、...
 北部地方バクニン省は、国内8番目となる中央直轄市への昇格を目指し、提案書の最終調整を進めている。...
 ハノイ市人民評議会都市委員会はこのほど、低排出ゾーン(LEZ)の対象となる環状1号線内の9つの街区にお...
 政府は、付加価値税(VAT)法の施行をガイダンスする政令第181号/2025/ND-CPの一部を改正・補足する政令...
 米国通商代表部(USTR)はこのほど、貿易相手国の知的財産権の保護と執行に関する「2026年版スペシャル30...
 インド海軍の艦艇「INSサガルドワニ(INS Sagardhwani)」が5日~8日の日程で、南中部地方カインホア省の...
 ホーチミン市人民裁判所は7日、麻薬の違法売買や所持の罪に問われていた麻薬ルート元締めのグエン・テ...
 「豚骨麺屋一番軒」や「肉汁餃子のダンダダン」などの飲食店運営や食品販売などを手掛ける株式会社ベス...
 企業のサステナビリティ経営を支援する株式会社ゼロボード(東京都港区)は、グリーン成長や持続可能な開...
 7日のベトナム株式市場は、ホーチミン証券取引所(HSX)のVNインデックスが大型株の牽引により上昇し、史...
 トー・ラム書記長 兼 国家主席は5日から7日にかけてインドを国賓訪問し、ナレンドラ・モディ首相および...
トップページに戻る