北中部地方クアンチ省クアンチ町高校2年生のファム・フイさんは、障がい者向けの義手ロボットの製作に成功し、3月に教育訓練省が主催する国家レベル科学技術コンテストの北部ブロックで1位、5月には米国カリフォルニア州ロサンゼルスで開催された「インテル国際学生科学技術フェア(Intel ISEF)2017」で見事3位に輝いた。
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フイさんは、中学3年生の頃から義手ロボットのアイデアをあたため続け、高校1年生のときに製作に着手した。フイさんのアイデアは、地元のクアンチ省で多くの人が不発弾や交通事故などにより腕を失っていることに発している。しかし、外国製の義手は高価で手が届かないため、貧しい人でも手に入れられる安価な義手ロボットを自ら製作することにしたのだという。
フイさんの父親はバイクの修理をし、母親は市場でライチを売っている。裕福な家庭ではないが、父親のバイク修理店こそがフイさんの発明者としての夢の一片を生み出した場所だ。バイク修理店にはたくさんのスクラップや機械があり、フイさんはまずこうしたスクラップを使って義手を作り始めた。最初の試作品は柔軟さと精緻さに欠けていたが、高校1年生の時にようやく製作に成功した。
ここ数年、フイさんの小さな部屋はたくさんの工具や材料であふれており、まるで工場のようになっている。フイさんの祖母は、「フイは義手作りに没頭するあまり徹夜することもしょっちゅうです。寝なさいと声をかけても、義手に何か問題があると『解決策を見つけるまで寝られない』と言うんです」と語る。