孤児300人の「母」、子供たちの夢と希望を育てる支援

2020/09/27 05:13 JST配信

 「出願してみなさい。お母さんがついているから」とズンさんはホアンさんの背中を押し、それからは頻繁に電話をかけて励まし、時間があれば自宅を訪ねて話をし、ホアンさんの将来を導いた。ホアンさんが高校を卒業すると、ハノイ市に連れて行き、英語を勉強させた。それだけでなく、ズンさんは大学に手紙を書き、ホアンさんがいかに優秀な人物であるかをアピールした。

(C) vnexpress
(C) vnexpress

 “私が手紙を書いた理由は、彼が謙虚でエネルギーに満ちた特別な人間であると同時に、自分を優先することを望まない人間だということを知っているからです。これは、彼の愛する人々から聞いた話に過ぎませんが……”と、ズンさんは手紙の中でホアンさんが視覚障害を持ちながらも学業での困難を乗り越えてきた過程や、常に優秀な成績を収めていること、そして視覚障害のない友人たちと登山をした時にも諦めずに山頂までたどり着いたことなどを紹介した。

 2019年3月のある早朝3時、ホアンさんはフルブライト大学ベトナム校で4年間学ぶための学費22億VND(約1000万円)の援助を含む入学許可書を受け取った。ホアンさんは朝4時まで待ってから「お母さん、受かりました!」とズンさんに電話で報告した。

 視覚障害を持つホアンさんの合格の結果は、カットボン基金の子供たちにさらなる希望をもたらした。自分と両親も視覚障害を持っているある子供は、ズンさんに手紙を書き、「どんな障壁も乗り越え、成功するために頑張ります。そうできると信じています。お母さん、私に夢を見るチャンスを、そして自分自身を信じる機会を与えてくれてありがとう」と希望に満ちた思いを伝えた。

 ホアンさんの合格の後、2020年度にもカットボン基金から再び22億VND(約1000万円)の援助を含むフルブライト大学ベトナム校の合格者が出た。また、ロシアの奨学金を獲得した子供もいる。こうした功績から、ズンさんは孤児の子供でもケアを受けることで、より高く、より遠くへ飛んで行けるのだという希望を持つことができた。

 300人近い子供たちの「母」であるズンさんは、幸せそうに笑いながら言う。「花の香りは自ら漂い、自力で広がっていきます。カットボン基金の精神もまた同じなのです」。

前へ   1   2   3   4   次へ
© Viet-jo.com 2002-2026 All Rights Reserved 利用規約 免責事項

この記事の関連ニュース

 グエン・バン・ラムさん(男性・47歳)は、11年余りの間に100人近い子供の命を救った。ごみ捨て場にいた...
 「私がこの子たちを買わなければ、この子たちはどうやって暮らせばよいのでしょうか」。サイゴン大司教...

新着ニュース一覧

 ベトナムで国内初の炭素取引所が6月末に試行稼働したものの、初日の取引以降、1か月余りにわたり新たな...
 電子機器受託生産(EMS)で世界最大手の台湾フォックスコン・テクノロジー・グループ(Foxconn Technology...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 政府は8月1日、産業クラスターの管理・開発に関する政令第32号/2024/ND-CPの一部を改正・補足する政令...
 烈士(戦死者)の遺骨の捜索・収集は、ほとんどの場合、ほんのわずかな手がかりから始まる。その手がかり...
 内務省は、2026年のベトナム文化の日および2027年のテト(旧正月)と建国記念日に伴う休暇について、日程...
 教育訓練省は、東北部地方トゥエンクアン省のトゥエンクアン英才高校の試験会場における2026年高校卒業...
 VIETJOベトナムニュースが2026年7月に配信した記事のアクセス数ランキングをご紹介します。 1位:
 財政省傘下統計局(NSO)の発表によりますと、2026年4~6月の国内総生産(GDP)成長率(推定値)は前年同期比...
 南中部地方ダナン市人民委員会は、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進およびデジタル経済の発...
 クラフトチョコレートの製造や販売を手掛けるザ・ココア・プロジェクト(The Cocoa Project)は、ホーチ...
 東北部地方クアンニン省のクアンイエン沿岸経済区で、ベトナム・シンガポール工業団地(VSIP)が総額約5...
 ハノイ市のノイバイ国際空港は、車両の混雑緩和を目的に3日から導入した新たな車両動線計画について、...
 英国・ロンドンの高等法院は、ベトナムのアニメ制作会社であるSコネクト(Sconnect)が制作する人気アニ...
 南中部地方ダナン市で3日、国際ミスコンテスト「ミス・ヘリテージ・グローバル2026(Miss Heritage Glob...
トップページに戻る