宝くじ売りの女性、唯一の生きがいは「テトに帰省して娘の墓参りをすること」

2021/02/14 05:07 JST配信

 クックさんの息子のチャン・ヒー・チャットさんは、女手一つで2人の子供を育てている母親をかわいそうに思い、妹を学校に通わせるため、14歳のときに学校を辞めた。そして、ホーチミン市に移り住んで宝くじ売りの仕事を始めた。

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 しかしあるとき、チャットさんは横断歩道で大事故に遭い、片脚を骨折して3か月間もの入院生活を強いられた。「知らせを聞いて、畑仕事を放ってホーチミン市に向かい、息子の世話をしました。息子は毎晩、横になって私を見ては泣いていました」とクックさんは振り返る。

 クックさんは入院費を支払い続けることができず、やむなくチャットさんを連れて田舎に帰った。チャットさんが18歳のときに無料で手術を受ける機会を得て、脚を固定していたネジをやっと外すことができた。

 クックさんはチャットさんの入院費に充てた800万VND(約3万7000円)もの借金を背負っていたため、息子に代わってホーチミン市で宝くじを売ることにした。

 それから長く経たないうちに、今度は娘の悲しい知らせを受け取った。クックさんは娘を失くしてから1年間、壊れたように日がな一日祭壇の前で泣き続けた。

 翌年、クックさんはホーチミン市に戻り、また宝くじを売り始めた。クックさんにとって、宝くじを売る時間はもはや生計を立てるためではなく、苦しみから逃れるためのものとなった。

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