タイからの食用犬密輸が横行、年間20万匹

2013/06/19 08:13 JST配信

 年間20万匹もの犬が食用としてタイからベトナムへと密輸され、ベトナム国内や中国で売られている。これは、米国のニュース専門放送局CNNが新作ドキュメンタリー映画「The Shadow Trade」の中で紹介した内容だ。ラオドン紙(電子版)が報じた。

(C)  Laodong, ケージに押し込まれた犬たち
(C) Laodong, ケージに押し込まれた犬たち

 タイ北東部を出発した1台のトラック。荷台には約1000匹もの犬を載せている。鉄製のケージ一つに20匹以上の犬が文字通り押し込まれており、到着するまでの数日間で窒息死する犬も多い。ベトナムに着いてからも、(ストレスで)ホルモンが出ると肉の風味が増すとされるため、再びケージに閉じ込められた後、残酷な方法で殺されるのだという。

 タイの犬保護団体「ソイドッグ財団」のジョン・ダリー氏によると、密輸目的で捕えられる犬の98%は飼い犬で、人への警戒心が低く、捕まえやすいため、密輸業者の標的になっている。犬の肉は体を温めるとされ、特に冬場は食用の犬の需要が高まり、タイでは1匹10ドル(約950円)で売れる。さらに、ベトナムのレストランでは60ドル(約5700円)で売れるという。

 動物保護団体の推計によると、年間100万匹以上の犬が、ベトナムで食用として殺されている。タイには犬の密輸を禁止する法律がないため、密輸業者は刑事法によって裁かれはするが、実際に下される処分は非常に軽く、禁固数か月程度でしかない。また、捕えられた犬を救出しても、再び路上に戻って密輸業者に捕まることが多い。ダリー氏は、「犬の肉を食べることが問題なのではありません。犯罪組織による不法取引が問題なのです」と語った。

※最終更新:2013年6月20日10:38JST

[Lao dong, 05/06/2013 06:58U]
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
© Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved 免責事項

この記事の関連ニュース

 ハノイ市ホアイドゥック郡のドゥックトゥオン村とドゥックザン村からは、市内で消費される量の70%強に...
 外国政府や非政府組織(NGO)のプロジェクト、観光旅行などでベトナムに滞在し、そのまま居ついてしまう...
 12日付のバンコク・ポスト紙によると、タイ海軍は12日、ラオスとの国境に面するタイ東北部のナコーンパ...
 北部ハータイ省のカオハー村落は、犬肉で有名な村だ。食用犬を仕入れ、解体、販売するという「犬肉業」...

新着ニュース一覧

 米マイクロソフト(Microsoft)が発表した調査報告書「ワークトレンド指数(Work Trend Index)」2025年版...
 在ベトナム米国大使館は18日、巡視船「CSB8022」をベトナム海上警察に引き渡したと発表した。越米間の...
 宅配を手掛ける地場ゴゾ・エクスプレス(Gozo Express)は18日、地場系コングロマリット(複合企業)
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
(※本記事はVIETJOベトナムニュースのオリジナル記事です。) 【ロンドン編】はこちら 【パリ編】は
 最先端の機械学習テクノロジーを活用してモバイル資産を識別・評価・最適化する米国のラウンズ(Rounds)...
 サイゴンハノイ保険[BHI](Sai Gon-Ha Noi Insurance Corporation)は、韓
 ホーチミン市7区のサイゴンエキシビション&コンベンションセンター(SECC:799 Nguyen Van Linh, quan ...
 ベトナムは、ライチの生産量で中国に次ぐ世界2位となっている。  2025年の収穫量は約30万3000tで、...
 地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)傘下の電
 ハノイ市ノイバイ国際空港で、ベトナム人乗客による日本円の違法持ち出しが発覚した。税関当局が18日に...
 国内IT最大手のFPT情報通信[FPT](FPT Corporation)はこのほど、東南部地
 国会は18日、エネルギー使用効率化法の一部を改正・補足する法律を可決した。同法は2026年1月1日に施行...
 持田製薬株式会社(東京都新宿区)とMeiji Seikaファルマ株式会社(東京都中央区)は、持田製薬が日本で販...
 ベトナム発のITソリューション企業であるカオピーズ(Kaopiz、ハノイ市)と、東南アジア市場における医療...
 米グーグル(Google)と財政省傘下のベトナム国家イノベーションセンター(NIC)は18日、ベトナム国内での...
トップページに戻る