ベビーリフトで米国へ渡った女性、44年ぶりに産みの母と再会

2019/11/17 05:56 JST配信

 実は、孤児院へ置いていった翌日に孤児院へ戻り、娘を引き取ろうとするも、時すでに遅しだったという。その後デップさんは結婚することもなく娘を思い続けてきた。

(C) vnexpress
(C) vnexpress
(C) vnexpress
(C) vnexpress
(C) vnexpress
(C) vnexpress

 デップさんはベビーリフトに関する書物を調べ、当時米国へ渡った孤児が訪越すると聞けば娘の手掛かりがないか問い合わせ、自らもDNA鑑定を受け、米国の外交官や大統領に助けを求めて手紙も書いたが行き詰まっていた。

 唯一の手掛かりとなる娘の父親であるジョーさんも2013年に亡くなり、娘を見つることは不可能に思えた。ベビーリフトでは1975年4月4日に飛び立った第1便がベトナムを離陸した直後に墜落し、乗客乗員328人のうち155人が死亡したこともあり、娘が生きているかどうかも定かではなかった。

 初めのメッセージから24時間のうちに身元と生年月日、米国へ渡った日を確認した後、スモールさんとデップさんは通訳を介してビデオ通話で再会を果たした。デップさんの第一声は「良い人生を送れているの?」だった。スモールさんは「ええ、素晴らしい人生です」と答えた。

 デップさんは、「愛しているわ。あなたが生きているか、幸せな人生を送れているか、それだけが知りたかったの」と話し、スモールさんが幸せに生きていて、デップさんがスモールさんを愛しているということさえ知ってもらえればそれだけでいいと語ったという。

 スモールさんもまたデップさんに対して、デップさんのことを憎んだりもしていないし、過去のことについて罪悪感を持たないで欲しいと伝えた。

 スモールさんは近く、家族と一緒にベトナムを訪問する。スモールさんにとっては母親を探しに行って以来、20年ぶり2回目の訪越になる。前回は手掛かりないまま帰国したが、今回は遂に44年ぶりに母娘の再会が叶う予定だ。

前へ   1   2   次へ
[VnExpress 14:37 8/11/2019, T]
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
© Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved 免責事項

この記事の関連ニュース

 2025年4月4日、ベトナム戦争末期の米軍による「オペレーション・ベビーリフト」の航空機墜落から50年を...
 米国バーモント州バーリントンに暮らす#nolinkグエン・ティ・タイン・ホンさん(女性)はこの50年間、小...
 米国カリフォルニア州オレンジ郡に住むチエウ・アイン・ブー・リーバーマンさんは、45年前にエンジンが...
 ベトナム系フランス人のバージニー・パリゾットさんは、出生直後から22年間生き別れになっていた産みの...
 オーストラリア在住のシャンタル・デエクさん(女性)は今から40年前、米軍の「オペレーション・ベビー...
 ワシントンD.C.の空港で私を迎えてくれたチャーミングな女性ビッキーは、ベトナム人の養女を育てている...

新着ニュース一覧

 2025年におけるホーチミン市の域内総生産(GRDP)成長率は+8.3%と推定され、ベトナム経済の牽引役として...
 ファム・ミン・チン首相は21日、国際金融センター(IFC)の設立を発表した。この設立は、世界の資本や技...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 地場ドジ・ジュエリー(DOJI Group)は19日、北部紅河デルタ地方ハイフォン市で複合区「ドラゴン75コンプ...
 ある日の午後、60代と思われる男性が、壊れたデュポン(Dupont)製のライターを手に、ホーチミン市チョロ...
 ホーチミン市内のガソリンスタンドでは、QRコードを使った振込決済が拡大しており、給油時の利便性向上...
 海外市場調査や海外事業伴走支援などを手掛けるシンガポールのグローバルアングル(GLOBAL ANGLE)は、ハ...
 商工省によると、2025年におけるベトナムの輸出入総額は推定で約9200億USD(約144兆円)となり、過去最高...
 ベトナム建設省は19日、ラオカイ~ハノイ~ハイフォン間鉄道建設事業の第1サブプロジェクトの着工式を...
 ホーチミン市都市鉄道(メトロ)1号線(ベンタイン~スオイティエン間)を運行する同市メトロ1号線有限会社...
 軍事ウェブサイトのグローバル・ファイアパワー(Global Firepower=GFP)が発表した2025年版の世界軍事...
 ファム・ミン・チン首相は20日、ペトロベトナムグループ(Petrovietnam=PVN)のレ・マイン・フン会長を...
 再生可能エネルギー事業を手掛けるイーレックス株式会社(東京都中央区)は、同社が開発を進めている西北...
 一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)は15日、ベトナムの新たなドローン産業団体であるベトナム低...
 電子機器・電気機械器具の製造・販売を手掛けるコーセル株式会社(富山県富山市)は、海外子会社(非連結...
トップページに戻る