フランス植民地時代から残る歴史的建造物の1つであるホーチミン市1区のドゥックバー(聖母マリア)教会は、観光客だけでなく市民の人気スポットともなっており、常に人足が絶えない。しかしこのところ、観光名所の同教会が、落書きの名所になってしまっている。
(C) vnexpress |
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歴史ある赤レンガの外壁に、「あなたのことが好き」や「I love you more than I can say」といった告白メッセージから、「お父さんが大好き」、「俺様がここに来た」などのメッセージ、更には「神様、どうか無くなったバイクが私のところに戻ってきますように」などといった願い事までが修正ペンを使って所狭しと書かれている。
同教会の神父は、「教会の近くにある4月30日公園で若者たちが友人たちとよくコーヒーを飲んだり、教会を背景に写真を撮ったりしている。実は落書きをしている人の大半はこうした若者だ」と述べた。教会側が忠告標識を立てているにも関わらず、それすらも完全に無視されている状況だ。
ドゥックバー教会はカトリックの大聖堂で、1863年から1880年にかけて建設された。高さ58mの鐘塔2本がそびえ、大聖堂前の広場にはローマの花崗岩で作られた「平和の聖母の像」が建っている。これはイタリア人彫刻家の作品で、1959年にイタリアから運ばれてきたもの。他の教会とは異なり建物を囲う柵がなく通りに面していることから、親近感が持たれやすい一方で、落書きなどの被害が絶えないという。