お盆に供える冥器、今年もさらに多様化―燃やす風習に疑問の声も

2019/08/15 03:56 ICT配信

 8月15日(旧暦7月15日)はベトナムでもお盆の日。お供え物の冥器産業は、今年も繁忙期を迎えている。例年以上に多種多様な冥器が登場し、飛行機や大型バイクなども販売されている。

 ベトナムでは、お盆だけでなくテト(旧正月)や故人の命日などに紙製の冥器を供え、燃やして祖先や故人を供養する風習がある。以前は紙幣や紙製の衣服、履物などが主流だったが、近年では紙や竹などを使って細部までそっくりに作ったものが人気で、一軒家や自動車、別荘まである。

 冥器を専門に生産する村の1つとして知られる紅河デルタ地方バクニン省トゥアンタイン郡ソンホー村(xa Song Ho)は、一年中何らかのお供え物を生産しているが、お盆の時期は特に忙しく、注文は通常の3~4倍になるという。この時期は納品に間に合うよう、多くの世帯が一晩中手作業で冥器を生産する。

 ソンホー村では、今年は顧客の要求に応じてヘリコプターの冥器も作った。サイズも原寸大の紙製の大型バイクは1つおよそ300万VND(約1万4000円)。高級自動車やバス、トラックも人気商品で、「運転手」付きでの注文も多い。

 価格は例年とほとんど変わらず、衣服は3万~10万VND(約140~460円)、自動車やバイクは9万~30万VND(約410~1400円)、携帯電話やイヤホン、SIMカード、プリペイドカードのハイテク製品のセットは18万~25万VND(約830~1150円)などとなっている。

 最も高級なのは別荘や家などで、価格はサイズや素材によって異なる。例えば家具と「住宅所有証明書」付きの2階建ての家で最低20万VND(約920円)、庭や垣根付きで金箔が貼られた大きな別荘であれば50万VND(約2300円)以上となる。このほか、運転手付きの自動車は30万~100万VND(約1400~4600円)など。

 ただし専門家は、冥器を燃やして故人を供養する風習は一部の寺院にも残っているが、昔の中国文化の影響を受けた民間信仰で迷信的なものであり、本来の仏教の信仰にはないものだと指摘している。

 多くの人々が、故人を偲ぶことは尊重すべきだとした上で、高価で派手な冥器を誇示したり、これらを燃やしたりすることは無駄遣いであり、環境にも悪影響を及ぼしかねないと懸念している。実際、近年は冥器を燃やす行為が制限され、冥器の消費量も数年前に比べると勢いが鈍化しているという。

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