女性13人の爆弾除去隊、戦争の残骸から農民を守る

2019/10/27 05:44 JST配信

 女性13人から成る第19クラスター爆弾除去隊(MAT19)は、北中部地方クアンチ省で戦争の負の遺産である爆発物の除去・処理にあたっている。発足から1年余りの間に、MAT19は面積64万m2の土地で各種の爆発物316基を発見・処理してきた。

(C) vnexpress
(C) vnexpress
(C) vnexpress
(C) vnexpress
(C) vnexpress
(C) vnexpress

 同省ゾーリン郡の西側は1954~1972年にかけて北ベトナムと南ベトナムの暫定的な軍事境界線だった北緯17度線にかかり、米軍から激しい爆撃を受けた地域として知られる。

 戦後40年が経ち、同省では地雷で汚染された土地の10%に相当する4万haでおよそ60万基の地雷や爆発物の処理が完了した。このうち4%に相当する1万6000haは国際組織や非政府組織(NGO)の支援を受けて実施されたものだ。

 しかし、不発弾の爆破処理が進められる一方で、同省では一部の住民が不発弾から取る廃材の収集・転売で収入を得ており、不発弾などの危険物を解体したことによる爆破事故も後を絶たない。

 MAT19のメンバーの1人で、ゾーリン郡チュンハイ村(xa Trung Hai, huyen Gio Linh)在住のチュオン・ティ・トゥー・バンさん(25歳)は、毎日午前3時30分に起きて仕事に行く準備をする。

 起床から1時間後、2歳になる娘の1日分の食事が用意できたら実母に娘を預けて、自宅から45km離れたハイラン郡(huyen Hai Lang)にあるMAG(地雷や不発弾などの影響を受けた人々を支援するNGOのMines Advisory Group。英国に本部を置く)のオフィスへ向かう車に乗り込む。

 6時前、バンさんを含めて女性13人のMAT19のメンバーは、オフィスに到着し、その日の作業に使う資機材をチェックして、車に積み込む。それからチーム全員で車に乗ってその日の現場に向かう。

 この日の現場は、チエウフォン郡チエウソン村リンチエウ村落(thon Linh Chieu, xa Trieu Son, huyen Trieu Phong)にある面積57万m2のティーツリーの保安林。チームは7月からここで作業を進めており、完了には今年いっぱいかかる見通しだという。

前へ   1   2   3   次へ
[VnExpress 12:04 23/10/2019, A]
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
© Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved 免責事項

この記事の関連ニュース

 北中部地方クアンビン省人民委員会は5日、グエン・スアン・フック首相が海外の非政府組織(NGO)の無償資...
 韓国国際協力団(KOICA)は5日、国連開発計画(UNDP)、ベトナム国家地雷対策センター(The Vietnam Nationa...
 地雷・不発弾処理を専門に行うNGO(非政府組織)「RENEW」と「ノルウェー人民援助(NPA)」は4日、北中部地...
 戦後の地雷・有害化学物質による被害克服国家指導委員会(701指導委員会)は3月31日、ハノイ市ホアンキエ...
 ベトナム人民軍工兵隊司令部は20日、ベトナム戦争後に残された地雷や不発弾の克服に関する会議で、全国...
 国防省と韓国国際協力団(KOICA)は14日、「ベトナム戦争後の地雷・不発弾による被害克服のためのベトナ...
 北中部地方クアンチ省ハイラン郡ハイバー村コールイ村落で18日午前9時頃、ベトナム戦争時代から地中に...

新着ニュース一覧

 東南部地方ドンナイ省ディンクアン村のスオイコー地区に面するチアン湖では、カンボジアから帰国した越...
 北部紅河デルタ地方ニンビン省ザーバン村にあるランバン(Lang Van)教区は8日、約10年の建設期間を経て...
 世界中の伝統料理などを紹介するグルメサイト「テイストアトラス(TasteAtlas)」はこのほど、2025年版「...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 世界最大の旅行プラットフォーム「トリップアドバイザー(TripAdvisor)」は、世界6か国(米国、英国、フ...
 国会は11日、ホーチミン市に自由貿易区を設立して投資を誘致し、地域経済の中心地とするための特別制度...
 国会は10日、改正刑事判決執行法および拘留・勾留・居住地制限措置に関する法律を含む、司法に関連する...
 国会は10日、◇汚職防止法の一部を改正・補足する法律、◇改正国会・人民評議会監視活動法、◇国民対話法...
 財政省傘下統計局(NSO)が発表したデータによると、2025年1~11月期に全国で新規設立された企業は前年同...
 韓国の製薬会社である緑十字ホールディングス(GC Holdings=GC)はこのほど、ハノイ市で健康診断施設「G...
 ベトナム自動車工業会(VAMA)の発表によると、2025年11月におけるVAMA加盟企業とVAMA非加盟企業を合わせ...
 国会は10日、◇改正民間航空法、◇改正建設法、◇改正計画法の交通・インフラ関連の法律3本を可決した。 ...
 国会は10日と11日、社会・経済分野に関する14本の法律を可決した。可決された法律は以下の通り。 ◇...
 国家証券委員会(SSC)は10日、財政省が「暗号資産取引市場管理委員会」を設立したと発表した。同委員会...
 国会は11日、北部紅河デルタ地方バクニン省で計画されているザービン国際空港建設プロジェクトの投資方...
 日本の環境省は、ベトナム農業環境省とコ・イノベーションのための透明性パートナーシップ(PaSTI)を通...
トップページに戻る