ベトナムのセキュリティ事情(1):オフィスの天井裏が危ない!

2015/04/10 14:00 JST配信

 皆さん、初めまして。ALSOKベトナムの安立(あだち)と申します。弊社はベトナムに設立されてから5年が過ぎ、日系のお客様へのセキュリティコンサルティングや機器の販売を主な事業にしています。

 これから数回にわたって、ベトナムにおけるセキュリティ事情を書いていきます。身近な例や実際に発生したケースを紹介しながら、どのような対策をとれば良いのかをご紹介していきます。

ベトナムのオフィスの天井裏事情

 日本とベトナムの違いはたくさんあり、治安状況や犯罪発生率の比較については次回ご紹介することとして、初回は、身近な例としてオフィスビルの天井裏の話です。皆さんの中で、ベトナムのオフィスビルの天井裏がどうなっているかご存じの方は少ないと思います。

 日本には消防法や建築基準法があるので、専有部分(オフィス)と共有部分(廊下、トイレなど)との境界区画には梁(はり)が設けられていて、延焼やセキュリティ面の考慮がされています。

 翻って、ここベトナムは、というと消防法・建築基準法に類する法律はありますが、まだまだ未整備の部分が多く、この天井に関して言えば、対象外になっています。つまり結論を言うと専有部分と共有部分の境界には何もありません。廊下やトイレの天井からオフィスの天井には自由に行き来が出来るのです。これは専有部分同士でも同じで、天井を通れば隣のオフィスの天井裏に自由にアクセスできます。

 写真は、あるオフィスビルのものですが、すでに利用しているオフィス(写真1の左側)の隣(写真1の右側)で内装工事をしており、工事側の天井から利用中のオフィスの天井裏が丸見えなのがわかると思います。これがベトナムのオフィスビルの現実です。テト(旧正月)などの長期休暇が終わって、事務所に来てみたら、天井に穴が開いていて、オフィスのノートPCが軒並み盗まれていた、という事案も発生しています。

オフィスでのセキュリティ対策は?

 では対策は、となると、もうお分かりの通りオフィスの出入り口に施錠するだけでは十分ではありません。

 お金をかけない対策としては、オフィスに金目のものを残さない、または施錠できるロッカーなどに保管するという方法があります。PCなどはワイヤーロックなどを使って机などに固定するのも簡単で効果的な方法です。

 ビルのオーナーさんや管理会社と交渉して境界に区画(柵など)を設けるという方法もありますが、それなりのコストと手間がかかります。重要なデータを格納したサーバ等がある場合は、サーバ室の天井部分だけ対策を打つのも選択肢に入るでしょう。

 いわゆる警備システムを導入するのも一つの方法です。人感センサーを設置し、仮に出入り口を通らずに賊が侵入した場合にもセンサーが監視している範囲内に入れば警報を鳴らして威嚇することが出来ます。さらに警備会社と契約すれば監視センターに通報して警備員を駆けつけさせることも可能です。

 オフィス内にどのような貴重品・貴重な情報があるかを良く把握した上で、費用対効果を考えて対策をすることをお勧めします。

著者紹介
安立 光孝 (あだち みつたか)

ALSOK (VIET NAM) CO.,LTD  代表取締役社長

コンピュータメーカーで17年間システムエンジニアとして従事。製造業における生産管理システムやファクトリオートメーションシステムの構築を担当。1998年から4年間、米国シリコンバレーに駐在し、ITセキュリティのベンチャー企業を発掘、日本市場への参入を支援。2007年に綜合警備保障株式会社(ALSOK)入社。新規事業の「情報警備」事業を立ち上げ、2014年4月より現職。

ウェブサイト:https://www.alsok.com.vn/

ベトナムにおけるセキュリティー事情
その他の記事はこちら>
[2015年4月10日 ベトジョーコラム A]
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
© Viet-jo.com 2002-2026 All Rights Reserved 免責事項

この記事の関連ニュース

 皆さん、こんにちは。ALSOKベトナムの安立です。  これまでベトナムのセキュリティ事情について書...
 皆さん、こんにちは。ALSOKベトナムの安立です。  前回までは、オフィスや工場で発生する窃盗への...
 皆さん、こんにちは。ALSOKベトナムの安立です。  今回は、内部不正について書く予定でしたが、予...
 皆さん、こんにちは。ALSOKベトナムの安立です。今回から数回に分けて、警備業界の中でも技術革新が最...
 皆さん、こんにちは。ALSOKベトナムの安立です。  今回は、「防止」の観点から、工場やオフィスの...
 皆さん、こんにちは。ALSOKベトナムの安立です。  前回(工場のセキュリ
 皆さん、こんにちは。ALSOKベトナムの安立です。  前回、ベトナムの工場は、「隙あらば」と狙って...
 ALSOKベトナム(ALSOK VIETNAM Co.,LTD、ホーチミン市)は、ベトナム国内における高度医療機器販売の認可...

新着ニュース一覧

 トー・ラム書記長とファム・ミン・チン首相、チャン・タイン・マン国会議長は、ラオスを同時訪問した。...
 国内最大手の格安航空会社(LCC)ベトジェットエア[VJC](Vietjet Air)とホ
 ハノイ市のハノイ師範大学はこのほど、日本でのベトナム語能力検定試験とベトナム語能力証明書の発行に...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 南中部地方ダナン市(旧クアンナム省)のホイアン旧市街のバクダン(Bach Dang)通りにある小さな店の前で...
 ハノイ市科学技術局は3日、ハノイ技術取引所(HanoTEX)とデジタル転換市場(DTMarket)を立ち上げた。これ...
 韓国教育省傘下の国立国際教育院は3日、ベトナムで2026年から韓国語能力試験(TOPIK)の成績を大学入学に...
 政府は4日、決議第9号/2026/NQ-CPを公布し、食品安全法をガイダンスする1月26日付けの政令第46号/2026/...
 トー・ラム書記長の特使として中国を訪問したレ・ホアイ・チュン外相は4日、習近平(シー・ジンピン)総...
 国防省傘下のベトナム軍隊工業通信グループ(ベトテル=Viettel)は4日、シンガポールに駐在員事務所を開...
 東北部地方クアンニン省人民委員会はこのほど、ハノイ~クアンニン間高速鉄道プロジェクトの投資方針を...
 ホーチミン市都市鉄道(メトロ)1号線(ベンタイン~スオイティエン間)を運行する同市メトロ1号線有限会社...
 ダナン市人民委員会は、2026年のテト(旧正月)期間中のロン橋(ドラゴン橋=ドラゴンブリッジ)の噴水・フ...
 世界最大級の宿泊予約サイト「ブッキング・ドットコム(Booking.com)」は、アジア太平洋(APAC)地域にお...
 ホーチミン市人民委員会は、テト(旧正月)を祝うイベントの一環として、「ブックストリートフェスティバ...
 財政省は3日、証券取引や情報開示などの規定を改正する通達第8号/2026/TT-BTCを公布した。外国人投資家...
トップページに戻る