ベトナムのセキュリティ事情(10):テト直前のセキュリティ対策~24のチェック項目~

2016/01/23 06:00 JST配信

 皆さん、こんにちは。ALSOKベトナムの安立です。

 今回は、内部不正について書く予定でしたが、予定を変更して「テト(旧正月)直前のセキュリティ対策」について説明します。

犯罪が増加するテト前後

 統計数字が発表されていないので、多少感覚的な話になりますが、テト前後は犯罪件数が増加する傾向にあるようです。

 一説によると、帰郷するワーカーが、もう工場には戻って来ないつもりでひと稼ぎすることを考えるとか、テト恩赦で刑務所から出て来る人間が増えるから、などと言われています。ちなみにホーチミン市ハノイ市では、テト前にそれぞれ2013年は172人・386人、2014年は230人・184人、2015年は105人・305人が恩赦を受けて出所しています。

テト直前のチェック項目

 そこで必要となるテト直前のセキュリティ対策を列挙します。事前確認と外部点検、内部点検の3つに分類しており、全部で24項目あります。いずれも重要なチェック項目ですので、環境に則したチェックをお勧めします。

~事前確認~

1.鍵やセキュリティカードを紛失したり、所在不明になっていないか

2.社内に保管し、共用使用している鍵やセキュリティカードは無いか

3.緊急連絡者名簿は最新で正しい情報か、電話番号が変わっている者がいないか

4.テト休暇の日程情報や期間中の依頼事項などを警備室に通知したか

5.テト期間中の出入者・作業者名簿を警備室に通知したか

~外部点検~

6.工場外部に足場や梯子、燃えやすい物は無いか

7.外部保管の資材などは施錠出来る倉庫に保管し、施錠を行ったか

8.屋上に登る階段(梯子)は、容易に登れないように対策がなされているか

9.工場外部の設備で無くなっている物、破損している物は無いか

10.自動火災報知機は正常な状態か(ベル停止状態になっている場合は解除すること)

11.消火器、屋外消火栓などは正常な状態か(消火器の圧力など)

12.シャッター・ドア・窓などの破損は無いか、正常に開閉・施錠可能か

13.フェンス・塀は破損していないか

14.駐輪場・駐車場に残っているバイクや車両は無いか

15.外部に面したシャッター・窓・ドアに警備員立ち会いで封印を行ったか

~内部点検~

16.灰皿、ゴミ箱に火の気は無いか、ガス栓はきちんと締めたか

17.コンセントや配電盤にホコリが溜まっていないか

18.工場内に残留者はいないか、トイレ内・空き段ボール内などに人が隠れていないか

19.事務所や重要な部屋のドアは施錠したか

20.貴重品は施錠出来る金庫・キャビネットに保管し、施錠を行ったか

21.監視カメラなどセキュリティ機器は正常に動作しているか

22.不要な電子機器の電源は切ったか

23.照明やファンは停止したか

24.機械警備システムは、正常に警戒状態(警備セット)にしたか

 上記の中で、3に挙げた緊急連絡者名簿ですが、大部分のスタッフが田舎に帰ってしまっており、いざという時に連絡が取れず、普段用意している名簿が使いものにならなかった、というケースがありました。テト期間中、いざという時に、誰が出勤出来るのか、連絡が取れるのかを、もう一度点検することをお勧めします。

 15で触れている「封印」とは、写真1のようなものです。実は、これはベトナムのテトの風物詩とでも言えるもので、私の調べた限りでは、現在は他のアジアの国では見られません。

 テトの長期休暇に入る直前に、お客様担当者と警備責任者が立ち会って封印します。そして休暇明けに、再度お客様担当者と警備責任者が立ち会って封印をはがします。

 すべてのシャッター・窓・ドアを封印するのは、手間と時間がかかりますが、休暇中に何も発生していなかったことの証明になります。個人的には、シンプルでベトナムらしい良い仕組みだと思います。

 次回は、工場やオフィスで日々発生する社内トラブル(内部不正など)について説明します。

著者紹介
安立 光孝 (あだち みつたか)

ALSOK (VIET NAM) CO.,LTD  代表取締役社長

コンピュータメーカーで17年間システムエンジニアとして従事。製造業における生産管理システムやファクトリオートメーションシステムの構築を担当。1998年から4年間、米国シリコンバレーに駐在し、ITセキュリティのベンチャー企業を発掘、日本市場への参入を支援。2007年に綜合警備保障株式会社(ALSOK)入社。新規事業の「情報警備」事業を立ち上げ、2014年4月より現職。

ウェブサイト:https://www.alsok.com.vn/

ベトナムにおけるセキュリティー事情
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