- 売却希望価格が30〜50%上昇した地域も
- 3省・市合併のHCMは土地の関心度上昇
- 専門家はFOMO心理で動かないよう警鐘
ベトナムの大手オンライン不動産仲介サイト「バットドンサン(Batdongsan=不動産)」<Batdongsan.com.vn>によると、行政区再編に伴う全国の省・市の合併計画により、不動産市場の関心度および売却希望価格の双方に大きな影響が出ている。
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ベトナム共産党の決議に基づき、全国63省・市は年内に34省・市へと再編される見通し。こうした状況下、3月の各地の土地検索数は前月比で平均+50%増加した。さらに土地の売却希望価格も高騰し、一部地域では+30〜50%の上昇が確認されている。
計画によると、南部の商都ホーチミン市は、東南部地方のビンズオン省およびバリア・ブンタウ省と統合して「メガシティ」と化すため、この3省・市ではいずれも土地への関心が高まっている。
一方、専門家らはこうした不動産市場の動きについて、短期的な利益を狙った投資の加熱や「FOMO(取り残されることへの恐れ)」心理によるものと分析。行政区再編により、手頃な価格の住宅供給の増加やプロジェクトに関する法的手続きの簡略化など不動産市場へのプラス効果が期待できるとしつつも、FOMO心理に流されて短期的な価格上昇を期待することに警鐘を鳴らした。
FOMO心理で不動産市場が動いた実際の事例としては、2008年に旧ハタイ省がハノイ市に編入されたケースが挙げられる。当該地域では投機的な動きによって地価が10年間で2.6〜15倍に上昇したものの、多くの土地が未開発のまま放置されているのが現状だ。